地域において担っている役割
医療圏における病床機能では、地域包括ケア病床を中心とした回復期機能を担う。また、在宅復帰に向けた退院支援を強化するとともに、地域の開業医や介護施設からの急変受入を着実に行い、地域包括ケアシステムの中核施設としての役割を果たす。
経営の健全性・効率性について
平成27年度は、新病院建設に伴い、旧病院の解体や老朽化した医療機器の撤去などにより費用(資産減耗費)が増大したため、①経常収支比率や②医業収支比率が落ち込んだ。通年では、一般会計からの繰入金により、現金収支に関わる経理は補てんされるが、①経常収支比率や②医業収支比率の向上並びに③累積欠損金比率の縮減には、病院単体の収支の黒字化が必要である。病院単体の収支の黒字化に向けての取り組みとしては、まずは病床利用率を70%以上とすることで、安定した収益の確保に取り組むとともに、施設維持管理経費や材料費などの経費削減・抑制対策を継続的に実施していく必要がある。
老朽化の状況について
平成27年度に病院本体や医療機器などの整備を行い、①有形固定資産減価償却率及び②機械備品減価償却率は低い。機械備品については、減価償却期間が概ね7年程度で更新時期を迎えることから、必要性・収益性・効率性などを検証し、新公立病院改革プランに定めたおおよそ年3,000万円の投資を基本とした投資を実施していく。また、老人保健施設は、築30年を超過し老朽化が顕著であることから、施設のあり方・役割を検討し、今後の方向性を定める。
全体総括
収支改善と医療サービスの維持・向上を図るため指定管理者制度を導入し、年々、収支改善がなされてきているものの、従前からの累積欠損金が増加しており、縮減・解消に向けた取り組みが必要である。取り組みとしては、病院事業会計における非現金支出を賄う収入の確保と病院単体の収支の黒字化を図り、会計上、継続的に収支均衡が図られる見通しが立った際、減資を行い、累積欠損金の解消を目指す。