地域において担っている役割
東北唯一の小児高度専門医療施設として平成15年11月に開院し、平成18年4月に公設民営から地方独立行政法人に移行した。平成27年4月、本県の小児リハビリテーションの中核であった医療型障害児入所施設の機能を引き継ぎ、これにより、小児・周産期の急性期から慢性期、リハビリテーション、在宅医療までを一貫して担う医療・福祉施設となった。
経営の健全性・効率性について
平成30年度決算では経常収支比率が100%を下回り、赤字となった。医業収支比率は類似病院平均値を大きく下回り、医業活動による収益割合が低い状況にあるため、改善が必要であると考える。病床利用率については、類似病院平均値を上回っているものの、当法人の目標値80%には達しておらず更なる上昇のための施策が必要である。平成27年度以降、患者1人1日当たり収益(入院・外来)については、医療型障害児入所施設との統合に伴い大幅に減少したが、施設基準の見直しなど収益確保に取り組み、統合以前の数値に回復している。材料費対医業収益比率については、後発医薬品への移行や同種同効品の集約化、値引き交渉による削減など材料費削減対策に取り組んでいるが、平成30年度については、高額薬品や高額診療材料の使用が多く、数値が悪化した。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率については,医療型障害児入所施設との統合に伴い,平成28年度に新棟を取得したことで数値が減少している。また,開院から12年ということもあり40%余りの数値で推移している。器械備品減価償却率は,平成25年度にピークを迎え平成26年度以降,機器の更新を進めたことにより増加傾向にある。1床当たり有形固定資産については、小児高度専門医療を担う施設として施設設備及び機器等に高額な投資が行われているため,類似病院平均値よりもかなり高い数値で推移している。そのため減価償却費は増大しており,収支状況が逼迫している。
全体総括
経常収支比率が100%を下回ったものの、収益性を示す指標は改善傾向にある。経常収支比率100%以上の達成に向けては、医業収支比率や病床利用率の更なる向上が求められる。