地域において担っている役割
山鹿市民医療センターは救急告示病院、災害拠点病院、感染症指定医療機関、県指定がん診療連携拠点病院として、医療圏における中核的病院としての役割を担いつつ、周辺の医療機関との連携を強化し、地域完結型医療の構築に努めています。
経営の健全性・効率性について
昨年に引き続き、経常収支比率は100%を超え、単年度黒字を継続しているものの、平成26年度の公営企業会計制度の改正に伴う、退職給付引当金の一括計上により、大きな累積欠損金があることから、継続して経営健全化に努め、経営基盤の強化を図るものである。外来患者1人1日あたりの収益は増加傾向にあるが、それらに係る材料費が大きく上昇している。その原因としてはがん治療で使用する抗がん剤等の高額薬品の増加と医療安全の確保によるディスポ製品の増加が挙げられることから、今後の効率性の向上は重要課題と考える。
老朽化の状況について
建物(病棟・外来棟)は平成23年度に改修を行っており、今後、大規模な改修の予定はないものの、建物の付帯設備や診療に使用している医療機器、電子カルテ等の各種システムの老朽化が進み、昨年より更に減価償却比率が増加していることから、病院としての診療機能を維持すると共に、更に高度化する医療に対応するため、効率性・採算性を考慮しつつ、定期的な医療機器・システム等の更新は必要となる。
全体総括
当センターは地域の中核病院として、地域住民へ良質な医療を安定的かつ継続に提供することが責務と考えるが、少子・高齢化の進展や全国的な医療費抑制策、医師偏在による勤務医不足など、依然として医療を取り巻く環境は厳しさを増している。今後、更なる経営基盤の強化を図るべく、改革プランのもと、公共性と経済性を両立させ、引き続き経営の健全化に努めるものである。