地域において担っている役割
当院は荒尾市の中核病院として、さらに有明地域の中核病院として地域完結型の医療を目指している。また、地域医療支援病院として、地域の医療福祉施設との連携の強化、地域医療の質の向上に努めている。さらに地域がん診療連携拠点病院・脳卒中急性期拠点病院・急性心筋梗塞急性期拠点病院に指定され、救急医療に取り組み365日24時間体制で診療を行い、夜間の緊急手術や急性カテーテル治療にも対応している。
経営の健全性・効率性について
①②_経常、医業収支比率共に100%を超えており、さらに類似団体を上回っている。③_累積欠損金がある状況ですが、平成20年度に最大94.7%(最大42.6億円)あった欠損金比率を毎年純利益を計上することで順調に減らしてきており、現在は16.6%(9.7億円)となっている。類似団体の数値を下回っているが、今後解消する必要がある。④⑤⑥⑦病床利用率及び入院、外来単価全てにおいて類似団体を上回り、職員給与費比率に関しては下回っている。今後も適正な職員配置を実施し、さらに高い利用率の中で良質な医療を継続して提供しなければならないと考えている。⑧材料費比率は、類似団体を下回っているが、病院区分や機能(高度急性期、急性期、慢性期)によるものであり、近年は高額な新薬、材料が必要な患者さんの増加に伴うものと考える。
老朽化の状況について
当院は古い建物で約50年、新しい建物で約30年経過しているので、継続的に老朽箇所の修繕等を実施しているのが現状である。そのため、有形固定資産減価償却率は類似団体を大幅に上回っており、非常に老朽化した建屋での経営を実施している状況である。それに伴い、1床当たり有形固定資産の額も大幅に少ない額となっている。また、機器備品減価償却率に関しては、中長期での医療機器、一般機器更新計画に沿って最先端の機器を更新しており、類似団体と同等程度となり前年より改善している。要因としては、当年度に高額な医療情報システムを更新を実施したことや急性期医療を行うために大型医用機器は定期的に更新していることが要因であると考える。
全体総括
当院の経営状況は、総合的に判断して、安定した経営状況であると考える。近年の経営状況として、第一期及び第二期中期経営計画に基づき経営改善を図ってきたこともあり、平成21年度以降は9年連続で黒字(平成26年度の会計制度変更時は除く)を達成しており、継続した黒字経営を実施することで、累積欠損金の解消に努めている。今後は、第二期中期経営計画を基に、地域完結型医療体制の維持や現在進行している新病院建設に向けて収益の確保と費用削減を徹底し、経営健全化に努めている。