山陽小野田市：山陽小野田市民病院

地域において担っている役割

市内には３つの公的病院があり、当院では中間的な急性期病院としての役割を担っている。一般病院として地域住民に門戸を開くとともに、各種先進的な治療や透析機能及び救急医療を行う等、市内民間医療機関では提供できない機能を有することで、地域医療の水準を維持向上することに努めている。また、災害医療体制の整備の推進、地域医療を支える医療人の育成等にも努めている。

経営の健全性・効率性について

患者数の増加に伴い病床利用率は昨年度と比較し上昇した。また、各種加算の届出、業者集約による経費の削減等により、経常収支比率及び医業収支比率も前年度より微増し、類似病院平均値と同水準又は上回る結果となった。しかし、新病院建設及びこれに伴う高額医療機器の購入等による減価償却費の増等により、医業収支・経常収支ともに赤字を解消するに至っていない。更なる各種加算の届出、開業医との連携強化による紹介患者の増、救急患者の積極的受入等、現状の諸課題を把握し改善・強化することで増収を図るとともに、より積極的な経費の削減に努め、経常収支を黒字化させることにより、段階的に累積欠損金を縮減することを目指す。

老朽化の状況について

平成26年度に新病院建設、高額医療機器の導入を行った。このことにより有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は平均値を下回っている。今後は、老朽化した機器の更新を優先し、高額医療機器については採算性と必要性を考慮し過大投資とならないよう、計画的な購入を図る。

全体総括

平成28年3月策定の新病院事業改革プランを平成30年2月に改訂し、健全な財政運営を目指しているところであるが、新病院建設にともなう減価償却費の増加等により経常収支の赤字が続いている。このため外部コンサルタントに経営状況の分析を依頼した結果、眼科において市外への患者流出の多いことが判明したため、29年度に器械を整備し、30年度より白内障手術を開始した。費用については、材料において業者の集約により経費削減を実現した。これら以外にも収入増及び費用削減に向けた分析・検討に努めていく。また、地域連携室の機能を強化し病診連携の推進を図ることで患者及び収益の増加に努めるとともに、各種加算の届出による増収を図りながら適切な外注化、購入方法や契約内容の精査・見直し等による更なる経費の縮減に努め、経常収支の黒字化を図っていく。