経営の健全性・効率性について
おり累積欠損金も生じていないが、これは企業債の利子償還等の経常費用に充てるために恒常的に一般会計からの繰入金に依存していることが主な要因でとして挙げられる。また、給水人口減少にかかる水需要の低下に伴い給水収益も減少傾向にあり、令和3年度においては前年度比△1.4%となった。企業債の償還も当面高止まりの見込みであり。法的化以降、現金残高も減少の一途を辿っており、これに連動して流動比率も軒並み減少している。今後も動力費の高騰等により経常費用の増加は避けられない状況であり、引き続き安定した経営を続けていくためには、営業収益の改善を図ることが不可欠である。また、施設の老朽化にかかる設備更新需要も見込まれることから、長期的な計画と適正な使用料の設定が急務となっている。施設利用率については、近年ほぼ横ばいの状況であり、天候等の不確定要素はあるものの、総体的には水需要の低下による数値の低下が懸念されるため、利用状況を注視し、今後施設のダウンサイジング等を検討しつつ、漏水の縮減を図るために管路更新のあり方についても検討を進める必要がある。
老朽化の状況について
更新が必要となるが、事業に莫大な費用を要するため、財源の問題と経営的観点から依然として事業化しにくい状況にある。全国平均と比して管路経年化率は、低いものの今後見込まれる管路更新は、給水収益の増加を伴わないことを踏まえ、引き続き老朽化対策についての先進事例や他の事業体の状況等の情報収集を行いながら、実現可能な料金の設定、企業債償還額の平準化を図るよう長期計画の策定、アセットマネジメントの見直しを行う必要がある。
全体総括
り、現状のままでは給水収益の低下による経常収支の悪化等、経営状況がますます厳しくなることが必至である。地方公営企業として今後も安定的な運営を続けていくため、引き続き維持管理のスリム化と経営状況に見合う設備更新を図っていく必要はあるものの、大幅な経常費用の削減は難しいと考えられる。料金改定による収益の改善を急務として経営改善のための検討を推し進める。