地域において担っている役割
鳥取県東部医療圏の中核病院として、救急医療・高度専門医療・がん医療などをはじめとした急性期医療を提供すると共に、東部医療圏唯一の在宅療養後方支援病院として、在宅療養者の緊急時に受け入れができる体制を確保している。また在宅医療・在宅介護事業の充実を図り、急性期から回復期さらに在宅医療の支援へと切れ目のない医療提供を推進している。
経営の健全性・効率性について
29年度は入院・外来ともに患者数が減少し、3年連続の経常収支赤字となり、累積欠損金比率についても平均値を大きく上回って推移しており、非常に厳しい経営状況が続いている。病床利用率についてはどの年も平均値を上回っているが、前年度よりも利用率は低くなっている。入院患者及び外来患者の1人1日あたりの収益は、前年度よりも高くなったが、医業収益全体では前年度を下回り、地域包括ケア病棟の稼働率が伸び悩んでいることが要因のひとつと考えられる。職員給与費対医業収益比率は、医療技術職員の採用増、給与改定や定期昇給等により給与費が増加し、平均よりも大きく上回っている。材料費対医業収益比率については平均値を下回って推移しているので、今後もより削減効果の期待できる手法の検討に取り組む。
老朽化の状況について
当院は新築移転後20年以上が経過しており、施設設備の老朽化が進んでいて、今後の修繕・改築費用の増大が懸念される。厳しい経営状況が続いている中で、医療機器の更新・導入については適切に判断して経費節減を考慮しながら進めていくと共に、光熱水費の削減を図るためESCO事業の活用を検討する。
全体総括
当院では平成27年度より続いている経常収支赤字を解消するために経営改善に努めているところだが、依然として厳しい状況が続いている。30年度には救急科を新設して救急患者の受入体制を強化し、また関連施設との連携を深めていきながら地域で求められている役割を果たす中で、「治す医療」と「支える医療」の双方の機能が十分に発揮できる医療提供の充実に努め、経営改善につなげていきたいと考える。