鳥取県鳥取市：市立病院の経営状況（2020年度）

地域において担っている役割

鳥取県東部医療圏の中核病院として、救急医療・がん医療などをはじめとした急性期医療を提供すると共に、東部医療圏唯一の在宅療養後方支援病院として、在宅療養者の緊急時に受け入れができる体制を確保している。当年度は、県から新型コロナウイルス感染症患者の受入体制確保の要請を受け、地域包括ケア病棟１棟４８床を休止して専用病床１５床を確保して患者の受入を行い、入院協力医療機関としての役割も担った。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	103.7	103.1	101.8	96.1	96.2	92.2	91.2	90.8	103.4
類似団体内平均値（％）	99.4	99.0	97.7	98.0	97.2	97.0	97.8	97.0	102.4

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	100.2	99.6	99.4	93.4	93.1	88.4	87.3	86.6	86.5
類似団体内平均値（％）	92.6	92.2	90.2	91.1	90.1	89.6	89.7	89.3	84.1

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）							84.9	84.1	84.2
類似団体内平均値（％）							86.7	86.5	81.4

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	94.4	87.6	109.9	118.9	122.0	136.0	149.7	161.7	154.9
類似団体内平均値（％）	63.8	62.5	57.6	53.6	59.7	62.6	60.6	61.1	61.3

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	79.6	82.6	82.3	75.5	81.0	75.5	74.9	73.8	72.6
類似団体内平均値（％）	70.6	70.5	70.6	71.3	72.6	73.5	74.1	74.4	66.5

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	47553.0	48336.0	50268.0	51152.0	49042.0	49821.0	49868.0	49986.0	51815.0
類似団体内平均値（円）	45929.0	48203.0	48941.0	50413.0	50510.0	50958.0	52405.0	53523.0	57368.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	12371.0	12440.0	12666.0	13590.0	13939.0	14171.0	14266.0	13781.0	14927.0
類似団体内平均値（円）	11409.0	11941.0	12272.0	13096.0	13552.0	13792.0	14290.0	15111.0	15986.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	53.9	53.7	54.8	58.2	59.0	63.6	67.1	69.3	69.1
類似団体内平均値（％）	54.8	54.9	56.4	55.6	56.7	56.9	57.0	57.0	62.9

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	20.1	20.8	22.0	23.1	22.6	22.5	20.9	20.4	21.9
類似団体内平均値（％）	23.0	23.6	23.5	24.3	24.2	24.2	24.0	24.5	24.9

経営の健全性・効率性について

専任医師が不在となっていた循環器内科に年度当初より医師４名を配属できたが、新型コロナウイルス感染症による受診控えの影響などもあり、患者数は入院・外来ともに前年度を下回った。しかし、入院・外来平均単価が増加したことで医業収益が増加し、さらに新型コロナウイルス感染症対策に係る国・県等の財政支援拡充により経常収支は大幅に改善した。材料費対医業収益比率については、感染対策に使用する防護具・手袋等の大幅な価格上昇や、手術に伴う材料費・薬品費の単価上昇の影響により前年度より高くなった。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	56.3	57.6	58.4	59.7	62.1	64.9	63.9	65.8	67.3
類似団体内平均値（％）	45.5	45.8	48.9	50.3	49.8	50.9	51.9	52.9	54.3

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	58.1	60.0	65.7	65.9	70.3	76.6	63.7	68.9	70.3
類似団体内平均値（％）	62.5	59.9	65.4	65.7	65.0	66.8	68.2	69.4	69.9

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	48225953.0	47997038.0	51946085.0	51943956.0	51833118.0	52052629.0	52039647.0	51295729.0	52030103.0
類似団体内平均値（円）	39169586.0	40264615.0	41593368.0	42578034.0	45645830.0	47082778.0	48918364.0	49696718.0	50234873.0

老朽化の状況について

当院は新築移転後20年以上が経過して施設設備の老朽化が進んでおり、当年度は大規模な屋上防水改修工事を行った。厳しい経営状況が続いている中で、医療機器等の更新や導入についても費用対効果を十分に考慮しながら計画的に進めているところではあるが、当年度は新型コロナウイルス感染症患者の診療を行うための医療設備の充実を図るため、補助金等を活用しながら、関連する医療機器の整備にも取り組んだ。

全体総括

令和２年度は新型コロナウイルス感染症対策に係る国・県等の財政支援拡充等により、平成２６年度以来６年ぶりとなる経常収支黒字となった。しかし、新型コロナウイルス感染症が今後の病院経営に与える影響は未だ不透明なので、高度医療や救急医療体制の充実に加え、急性期から回復期、さらには在宅医療の支援へと切れ目のない医療提供の推進を図りながら経営の安定化を目指していく必要がある。