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概ね横ばいペースで推移しているところではあるが、類似団体内平均値と比較すると、やや下回っている状況にある。これは社会保障関係経費の割合が大きいことが要因といえる。今後もなお厳しい状況が見込まれることから、着実に行財政改革の取組をすすめ、改善を図っていく必要がある。
市税、地方交付税の増加により経常的な収入が増加したものの、会計年度任用職員制度導入による人件費の増、借換債の発行抑制による公債費の増、高齢者人口増加に伴う介護保険特別会計・後期高齢者医療特別会計への繰出し金の増などの要因により、前年度より0.9ポイント悪化し96.3%となった。類似団体内平均値92.7%と比較しても依然高水準にあり、硬直化した財政状況にあるといえる。今後も引き続き事務事業の見直し等により歳出の抑制を図るとともに、歳入の確保に努め、一層の改善を図る。
行財政改革プランに基づく職員数計画の実行に加え、職員の削減後も安易にアルバイトの雇用や委託に頼ることなく、創意工夫により、業務効率の向上を図った結果、類似団体内順位でも上位の100,954円となった。今後も民間で実施可能な事業については委託化を進めるなど、新たな行財政改革プランを実行し、引き続きコストの縮減を図っていく方針である。
令和元年度中に任期付職員を採用したことや給与制度の総合的見直しに伴う現給保障が廃止となったことが、前年に比してラスパイレス指数が下降する要因となった。また、平成27年及び平成31年に給料表の独自見直し(水準引き下げ)や、同年に初任給基準の4号給引き下げ及びそれに伴う在職者調整(昇給抑制)の実施により、中長期的には効果が表れると見込んでいるが、依然として全国市平均を上回っている状況にあり、今後も適正な給与水準の確保に努める。
これまで行財政改革の一環として、職員数の削減など人件費の総量抑制を進めてきた。また、現在も行財政改革プランに基づき職員数計画を策定し、着実に定員管理を行っている。職員数計画は、現業職種職員を除き、現在の執行体制の水準を維持することを基本とし、新たな行政課題等への対応については、民間活力の活用などを図った上で、必要な調整を加えることとしている。
実質公債費比率について、令和2年度は6.3%となり、1.2ポイント悪化した。過年度の償還の増加や、借換債の発行抑制による公債費の増加が大きな要因である。類似団体内平均値と比較して高い比率に転じたことから、緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
地方債残高や公営企業繰出見込額の減少により、将来負担比率は前年度から改善し「-」となった。今後も将来世代への負担が増加することのないよう健全な財政運営に努める。
会計年度任用職員制度の導入などにより、人件費にかかる経常収支比率は前年度より0.8ポイント増の23.0%となった。今後も民間でも実施可能な業務については積極的に委託化を進めるなど、一層の行財政改革により、人件費の抑制に努める。
物件費にかかる経常収支比率については11.4%となり、行財政改革プランの着実な実行などにより類似団体内平均値の15.1%を下回っている。今後も更なる事務事業の見直しを行い、経費の削減に取り組んでいく。
令和2年度においては、扶助費にかかる経常収支比率は大きく改善し、16.9%となった。この要因は生活保護費の減と児童扶養手当の制度変更があげられる。しかしながら、類似団体内平均値と比較すると依然として比率は高くなっており、本市財政状況の硬直化の大きな要因となっている状況は変わっていないため、今後もより一層の適正化に努めていく必要がある。
その他の経常収支比率については、類似団体内平均値13.4%を上回る13.8%となった。内訳は、維持補修費で1.2%、繰出金で12.6%となり前年度と比較して、維持補修費が0.1ポイント、繰出金が0.6ポイントの増加となっている。今後も、これまでに整備した施設等の老朽化に伴い維持補修費の増加が見込まれることもあり、引き続き計画的な保全に努める。
補助費等にかかる経常収支比率については、特別定額給付金支給経費など新型コロナウイルス感染症対策が要因で、前年度より0.4ポイントの増加となった。依然として類似団体内平均値との乖離幅が大きいため、今後もより一層の適正化に努めていく必要がある。
令和2年度においては前年度より2.6ポイント悪化し、18.1%となった。将来世代への負担圧縮を見据えた借換債の発行抑制を平成30年以来行っているが、借換債の対象額が増加したことが大きな要因である。花園ラグビー場の整備や文化創造館の建設等の大規模事業が一段落したため、現時点では今後の公債費は減少傾向であるが、令和5年度以降に体育館空調の導入など新たな大規模建設事業が予定されているため、再度公債費の負担が増加することも考えられる。後年度世代に過度な負担を強いることのない市債の管理に努めていく必要がある。
公債費以外の経常収支比率については78.2%となり、前年度より1.7ポイント改善したものの、類似団体内平均値77.0%と比較しても依然高水準で硬直した状態であるといえる。主な内容として人件費、扶助費、補助費等の合計で53.0%となっており、前年度と比較して人件費は0.8ポイントの悪化、扶助費は2.7ポイントの改善、補助費等は0.4ポイントの悪化となり、今後もより一層の行財政改革の推進に努める。
(増減理由)令和2年度は28,106百万円となり、前年度から1,371百万円の増加となった。財政調整基金が452百万円減少する一方、学校施設の長寿命化対策として公共施設整備基金が1,459百万円増加した。(今後の方針)財政調整基金、減債基金については、現行の残高を維持することにより、年度間の財源不足に備え安定した財政運営に努める。その他特定目的金については、基金の趣旨にかなうよう必要額の取崩し、積み立てを行っていく。とりわけ、公共施設整備基金については、学校施設の長寿命化改修に多額の投資が必要となることに加え、体育館空調の整備など災害に備えたまちづくりに必要な改修も行っていく必要があることから、将来の負担に備え、積み立てを行っていく。
(増減理由)令和2年度は16,653百万円となり、前年度より452百万円の減少となった。令和2年度においては、生活保護費等の減少により扶助費の支出額は減少したが、会計年度任用職員制度の導入による人件費の増加や公債費支出の増加があり、財政調整基金を取り崩すことによって、収支均衡を図ることとなった。(今後の方針)令和2年度残高の166億5,300万円は、標準財政規模の約15%となっており、不測の事態に備えるための必要額を一定程度確保できていると考えている。今後の財政収支見込みとしては、人口減少の影響により市税収入の減少が予測されており、加えて公共施設の老朽化対策など財政需要の高まりも懸念されていることから、長期的視野に立った計画的な財政運営を行えるよう、適正な残高の維持に努める。
(増減理由)令和2年度は4,805百万円となり、前年度より434百万円の増加となった。主な要因として、土地売払収入を積み立てたことによるものである。(今後の方針)市債の償還及び適正な管理にも必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に向け、適正な残高の維持に努める。
(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の設置及び整備等を行う。・森林環境譲与税基金:森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に掲げる施策を行う。・ふるさと創生基金:東大阪市域にはぐくまれた歴史、伝統、文化、産業等を生かした独創的、個性的なまちづくりの事業を行う。・愛はぐくむ子どもスクラム基金:子どもの安全安心育成事業を行う。・都市経営基盤整備基金:都市経営の健全性を維持するとともに、市民生活の向上に資する施設整備等を行う。(増減理由)・公共施設整備基金:学校施設の長寿命化対策として積立を行い、14億5,900万円増加した。・森林環境譲与税基金:小中学校の教室床改修として2,000万円取り崩しを行い、当年度の森林環境譲与税4,200万円を積み立てた結果、2,200万円増加した。・ふるさと創生基金:ふるさと納税収入分を積み立て、2,300万円増加した。・愛はぐくむ子どもスクラム基金:ふるさと納税収入分を積み立て、2,500万円増加した。・都市経営基盤整備基金:土地貸付収入等を積み立て、2,300万円増加した。(今後の方針)各基金条例に基づき、適正な積立、運用管理、処分を行う。
本市においては、平成27年に策定された公共施設等総合管理計画において、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めた結果、類似団体内平均値を下回っている。今後も市有建築物保全計画に基づき施設の改修、更新に努めていく。
小中学校校舎耐震化事業や花園ラグビー場の改修事業、文化創造館の建設などの大型建設事業の実施により、地方債の発行が多かったため、類似団体内平均値と比べ、わずかに比率が高い状況にあったが、令和2年度は下水道事業債の償還が進んだことや、満期一括償還の地方債の償還額が大きかったことなどにより、地方債残高が減少し債務償還比率が減少した。今後も新規の地方債の発行抑制を図るなど、適切な公債費管理に努めていく。
有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を下回っている。これは公共施設等総合管理計画などの策定による、老朽化した施設の集約化・複合化を進めてきたことにより、老朽化した施設の除却が進んだためであると考えられる。また、将来負担比率は令和2年度において、一般会計や下水道事業会計の地方債現在高が大きく減少したことなどにより、充当可能財源等が将来負担額を上回ることとなったため、有効数字とならず「-」となっている。今後も引き続き将来を十分に見据えた財政運営に努めていく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値と比較して低い水準にある。将来負担比率は令和2年度において、一般会計や下水道事業会計の地方債現在高が大きく減少したことなどにより、充当可能財源等が将来負担額を上回ることとなったため、有効数字とならず「-」となっている。一方で実質公債費比率は、満期一括償還分の公債費が前年度に比べ増加したことなどを受け、令和2年度の実質公債費比率は増加している。
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