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概ね横ばいベースで推移しているところである。類似団体内平均値と比較すると、やや下回っている状況にあり、社会保障関係経費の割合が大きいことが要因といえる。今後もなお厳しい状況が見込まれることから、着実に行財政改革の取り組みを進め、改善を図っていく必要がある。
後期高齢者医療特別会計への繰出金などの経常的な経費が増加している一方、市税や交付金などの経常的な収入も増加しているため、全体として前年度より0.1%改善して95.0%となった。類似団体内平均値92.2%と比較しても依然高水準にあり、硬直化した財政状況にあるといえる。今後も引き続き事務事業の見直し等により歳出の抑制を図るとともに、歳入の確保に努め、一層の改善を図る。
職員適正化計画や集中改革プランの実行に加え、職員の削減後も安易にアルバイトの雇用や委託に頼ることなく、創意工夫により、業務効率の向上を図った結果、前年度比として微減したものの、類似団体内順位でも上位の87,943円となった。今後も民間で実施可能な事業については委託化をすすめるなど、平成27年度から始まった東大阪行財政改革プラン2015を着実に実行し、引き続きコストの縮減を図っていく方針である。
給与水準については、平成31年1月末時点では平成30年度調査結果が未公表であるため、平成29年度の数値については前年度の数値を引用している。全職員に対する経験年数の多い職員の比率が高くなってきていることや平成27年度には給与制度の総合的見直しと併せて独自の給料表の見直しを行ったことにより、ラスパイレス指数は高くなる傾向にある。諸手当においては、平成19年度に特殊勤務手当の抜本的な見直し、平成21年度に持家に係る住居手当の廃止など、適正化に向けた取組みを行っている。また、平成31年度にも国の取扱いに準拠する給与制度への見直しを予定しており、今後も給与の適正化に努めたい。
定員管理の状況については、平成31年1月末時点では平成30年度調査結果が未公表であるため、平成29年度の数値については前年度の数値を引用している。これまで実施してきた「職員800人削減計画」や「職員数適正化計画」の実施など、今後も適正な定員管理に努めたい。
実質公債費比率について、平成29年度は4.4%となり、0.3%改善した。過年度の償還が終了することで比率は減少傾向にある。なお、地方債にかかる公債費については年々増加しているが、その要因は国の地方交付税の代替である臨時財政対策債など基準財政需要額に算入されるものが多くを占めていることから、比率には影響を与えない。
地方債残高は減少したものの、充当可能財源等も微減したため、将来負担比率は前年度から0.2%増加して8.7%となった。類似団体内平均値と比べても健全な数値となっているが、今後も将来世代への負担が増加することのないよう健全な財政運営に努めたい。
退職手当の減少や職員数の減少などによる人件費の総量抑制などで、人件費にかかる経常収支比率は前年度より0.3%減の23.0%となった。今後も民間でも実施可能な業務については積極的に委託化を進めるなど、一層の行財政改革により、人件費の抑制に努める。
物件費にかかる経常収支比率については11.6%となり、行革プランの着実な実行などにより類似団体内平均値の14.9%を下回っている。今後も更なる事務事業の見直しを行い、経費の削減に取り組んでいく。
類似団体内平均値と比較し、扶助費に係る経常収支比率が突出して高くなっており、本市財政状況の硬直化の大きな要因となっている。平成29年度においては前年度より0.2%増加し、19.5%となった。一因として、認定子ども園等運営経費や障害者自立支援給付経費等の増加があげられる。依然として類似団体内平均値との乖離幅が大きいため、今後もより一層の適正化に努めていく必要がある。
その他の経常収支比率については、類似団体内平均値13.5%を下回る12.8%となった。内訳は、維持補修費で1.2%、繰出金で11.6%となり前年度と比較して、維持補修費が0.1%の減少、繰出金が0.6%の増加となっている。今後も、これまでに整備した施設等の老朽化に伴い維持補修費の増加が見込まれることもあり、引き続き計画的な保全に努めたい。
補助費等にかかる経常収支比率については、東大阪都市清掃施設組合第五工場の完成に伴うごみ処理施設整備事業やごみ処理経費の減少により東大阪都市清掃施設組合に対する負担金が減少し、前年度より0.8%の減少となった。依然として類似団体内平均値との乖離幅が大きいため、今後もより一層の適正化に努めていく必要がある。
平成29年度においても類似団体内平均値の16.6%を下回る14.9%となった。新障害児者支援拠点施設(レピラ)の建設が終了した一方、今後は花園ラグビー場の整備や文化創造館の建設事業が予定されていることから、後年度世代に過度な負担を強いることのない市債の活用に努めていく必要がある。
公債費以外の経常収支比率については80.1%となり、前年度と同率となった。類似団体内平均値75.6%と比較しても依然高水準で硬直した状態であるといえる。主な内容として人件費、扶助費、補助費等の合計で55.7%となっており、前年度と比較して人件費は0.3%の減少、扶助費は0.2%の増加、補助費等は0.8%の減少となり、今後もより一層の行財政改革の推進に努めたい。
(増減理由)平成29年度は22,827百万円となり、前年度から752百万円の増加となった。市営住宅跡地の売却益を積み立てたことで市営住宅整備基金が1,096百万円増加し、平成29年度一般会計の収支の均衡を図るため、財政調整基金を取り崩したこと等による増減が生じた。(今後の方針)財政調整基金、減債基金については、現行の残高を維持することにより、年度間の財源不足に備え、安定した財政運営に努めたい。また、一定の目的や役割を果たした基金や制度の改廃の結果、今日的にはなじまない基金については一定の精査のうえ整理していく。
(増減理由)平成29年度は15,201百万円となり、前年度より418百万円の減少となった。主な要因としては決算収支均衡をはかるために取り崩したものである。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%から15%の範囲内となるように努める。
(増減理由)平成29年度は4,010百万円となり、前年度より617百万円の増加となった。主な要因として、利子等の運用益によるものである。(今後の方針)市債の償還及び適正な管理にも必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に向け、適正な残高の維持に努める。
(基金の使途)・市営住宅整備基金:市営住宅の整備事業を行う・公共施設整備基金:公共施設の設置及び整備等を行う・みどり基金:市民等が行う緑化の推進・保全に対する助成に必要な経費、本市が行う緑化の推進及び緑の保全のための事業に必要な経費・愛はぐくむ子どもスクラム基金:子どもの安全安心育成事業を行う・ラグビーのまち東大阪基金:ラグビーのまち東大阪の魅力を増進するための事業を行う(増減理由)平成29年度増加の主な要因は、大阪外環状線鉄道の整備に伴い大阪外環状線鉄道基金が減少したものの、市営高井田住宅跡地の売却益を市営住宅整備基金に積立てたことによる増加である。(今後の方針)各基金条例に基づき、適正な積立、運用管理、処分を行う。
本市においては、平成27年に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めている。有形固定資産減価償却率については類似団体内平均値と比較すると低い値となっている。今後も施設の適切な維持管理を行っていきたい。なお、平成29年度決算に係る固定資産台帳については、平成31年1月1日時点で未整備であるため、平成29年度の当該団体値等は表示されていない。
将来負担比率・有形固定資産減価償却率ともに類似団体内平均値を下回っている。これは公共施設等総合管理計画を策定し、老朽化した施設の集約化・複合化を進めてきたことにより、新たな施設にかかる起債額は増加する一方、老朽化した施設の除却が進んだためであると考えられる。今後も適切な維持管理を行っていきたい。なお、平成29年度決算に係る固定資産台帳については、平成31年1月1日時点で未整備であるため、平成29年度の当該団体値等は表示されていない。
実質公債費比率、将来負担比率ともに類似団体内平均値と比較して低い水準にある。将来負担比率は近年減少傾向であったが、平成28年度に上昇した。将来負担比率が上昇した要因としては、平成27年度から行った小中学校の耐震化事業に際し、合計164億円の地方債を発行したことが挙げられる。またラグビーワールドカップ開催に伴う花園ラグビー場の改修や文化創造館(旧市民会館)の建設などの大型事業を進めてきたことも要因の1つに挙げられる。これらの地方債は平成30年度より順次償還が始まることによって実質公債費比率が上昇していくことが考えられるため、これまで以上に適正な公債費管理に取組む必要がある。
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