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概ね横ばいペースで推移しているところではあるが、類似団体内平均値と比較すると、やや下回っている状況にある。これは社会保障関係経費の割合が大きいことが要因といえる。今後もなお厳しい状況が見込まれることから、市税収入率の維持(令和6まで99.4%)や職員数の削減(令和3から令和7で61人削減)など着実に行財政改革の取組をすすめ、改善を図っていく必要がある。
退職者の減により経常的な支出額は減少したものの、臨時財政対策債及び地方交付税が大きく減少したことにより、前年度より0.2ポイント悪化し93.3%となった。類似団体内平均値92.0%と比較すると前年より数値の乖離は縮まっているものの、依然高水準にあり、硬直化した財政状況にあるといえる。今後も引き続き事務事業の見直し等により歳出の抑制を図るとともに、歳入の確保に努め、一層の改善を図る。
行財政改革プランに基づく職員数計画の実行に加え、職員の削減後も安易に会計年度任用職員の雇用や委託に頼ることなく、創意工夫により、業務効率の向上を図った結果、類似団体内順位でも上位の116,625円となった。今後も民間で実施可能な事業については委託化を進めるなど、新たな行財政改革プランを実行し、引き続きコストの縮減を図っていく方針である。
平成27年及び平成31年に給料表の独自見直し(水準引下げ)を行い、また、同年に初任給基準の4号給引下げ及びそれに伴う在職者調整(昇給抑制)を実施した。これらの見直しにより中長期的には効果が表れると見込んでいるが、依然として全国市平均を上回っている状況にあり、今後も適正な給与水準の確保に努める。また、上記の取組とは別に、令和元年度中に任期付職員を採用したことや給与制度の総合的見直しに伴う現給保障が廃止となったことにより、令和2年度にラスパイレス指数が下降し、以降同水準で推移している状況である。
これまで行財政改革の一環として、職員数の削減など人件費の総量抑制を進めてきた。また、現在も行財政改革プランに基づき職員数計画を策定し、着実に定員管理を行っている。職員数計画は、現業職種職員を除き、現在の執行体制の水準を維持することを基本とし、新たな行政課題等への対応については、民間活力の活用などを図った上で、必要な調整を加えることとしている。
実質公債費比率について、令和4年度は6.9%となり、前年度より0.4ポイント悪化した。令和3年度より平成30年度の花園ラグビー場整備や文化創造館建設といった大型建設事業の元金償還が始まったことにより公債費が増加していることが要因である。類似団体内平均値と比べやや高い数値となっているが、今後とも、緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
地方債残高や公営企業繰出見込額の減少により、将来負担比率は前年度に引き続き「-」となった。今後も将来世代への負担が増加することのないよう健全な財政運営に努める。
定年退職者数の減により、人件費の経常経費充当一般財源が減少し、人件費にかかる経常収支比率は前年度より1.6ポイント改善し、20.5%となった。今後も民間でも実施可能な業務については委託化を進めるなど、一層の行財政改革により、人件費の抑制に努める。
物件費にかかる経常収支比率については12.3%となり、0.8ポイント悪化した。これは中学校給食の段階的実施などによるものである。一方で行財政改革プランの着実な実行などにより類似団体内平均値の15.6%を下回っており、今後も更なる事務事業の見直しを行い、経費の削減に取り組んでいく。
令和4年度においては、障害者自立支援給付費やこども医療費の増などによる事業費の増加により、扶助費にかかる経常収支比率は0.8ポイント悪化し、18.4%となった。類似団体内平均値と比較すると依然として比率は高くなっており、本市財政状況の硬直化の大きな要因となっているため、今後もより一層の適正化に努めていく必要がある。
その他の経常収支比率については、類似団体内平均値を下回り13.1%となった。今後も、これまでに整備した施設等の老朽化に伴い維持補修費の増加が見込まれることもあり、引き続き計画的な保全に努める。
補助費等にかかる経常収支比率については、分母となる経常一般財源総額が、臨時財政対策債及び地方交付税の減により減少したものの、市立医療センターへの負担金の減などにより前年度より0.1ポイントの改善となった。依然として類似団体内平均値との乖離幅が大きいため、今後もより一層の適正化に努めていく必要がある。
令和4年度においては前年度より0.1ポイント悪化し、16.7%となった。前年度より支出額は減少したものの、経常経費充当一般財源がそれ以上に減少したことが要因である。花園ラグビー場の整備等の大規模事業が一段落したため、現時点では今後の公債費は減少傾向であるが、今後、体育館空調の導入や新斎苑の整備など新たな大規模建設事業が予定されているため、再度公債費負担が増加することも考えられる。後年度世代に過度な負担を強いることのない市債の管理に努めていく必要がある。
公債費以外の経常収支比率については76.6%となり、前年度より0.1ポイント悪化したものの、類似団体内平均値76.7%を0.1ポイント下回る結果となった。主な内容としては人件費、扶助費、補助費等の合計で51.2%となっており、前年度と比較して人件費は1.6ポイントの改善、扶助費は0.8ポイントの悪化、補助費等は0.1ポイントの改善となった。
(増減理由)令和4年度は38,729百万円となり、前年度から5,676百万円の増加となった。財政調整基金が2,662百万円増加するとともに、児童相談所の建設費等に備えるため愛はぐくむ子どもスクラム基金が2,176百万円増加した。(今後の方針)財政調整基金、減債基金については、現行の残高を維持することにより、年度間の財源不足に備え安定した財政運営に努める。その他特定目的基金については、基金の趣旨にかなうよう必要額の取り崩し、積み立てをおこなっていく。とりわけ愛はぐくむ子どもスクラム基金については、児童相談所の建設費に多額の投資が必要となることから、将来の負担増に対応できるよう積み立てをおこなっていく。
(増減理由)令和4年度は20,411百万円となり、前年度より2,662百万円の増加となった。令和4年度においては、障害者自立支援給付費の増加などがあり、財政調整基金を取り崩すことによって、収支均衡を図ることとなった。(今後の方針)令和4年度残高の204億1,100万円は、標準財政規模の約18%となっており、不測の事態に備えるための必要額を一定程度確保できていると考えている。今後の財政収支見込みとしては、人口減少の影響により市税収入の減少が予測されており、加えて公共施設の老朽化対策など財政需要の高まりも懸念されていることから、長期的視野に立った計画的な財政運営を行えるよう適正な残高の維持に努める。
(増減理由)令和4年度は5,507百万円となり、前年度より147百万円の増加となった。主な要因として、土地売払収入を積み立てたことによるものである。(今後の方針)市債の償還及び適正な管理にも必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に向け、適正な残高の維持に努める。
(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の設置及び整備等をおこなう。・愛はぐくむ子どもスクラム基金:子どもの安全安心育成事業をおこなう。・市営住宅整備基金:市営住宅の整備事業をおこなう。・ラグビーのまち東大阪基金:ラグビーのまち東大阪の魅力を増進するための事業をおこなう。・みどり基金:緑化の推進及び緑の保全をおこなう。(増減理由)・公共施設整備基金:学校施設整備事業に伴う取り崩しをおこない、117百万円減少した。・愛はぐくむ子どもスクラム基金:土地売払い収入分等を積み立て2,176百万円増加した。・市営住宅整備基金:土地売払い収入分等を積み立て687百万円増加した・ラグビーのまち東大阪基金:ふるさと納税収入分等を積み立て29百万円増加した。・みどり基金:当該年度において基金の増減は生じなかった。(今後の方針)各基金条例に基づき、適正な積立、運用管理、処分を行う。
本市においては、平成27年に策定された公共施設等総合管理計画において、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めた結果、類似団体平均値を下回っている。今後も市有建築物保全計画に基づき施設の改修、更新に努めていく。
令和元年度までは、小中学校校舎耐震化事業や花園ラグビー場の改修事業、文化創造館の建設などの大型建設事業の実施により、地方債の発行が多かったため、類似団体内平均値と比べ、わずかに比率が高い状況にあったが、令和3年度においては、前年度に引き続き下水道事業債の償還が進んだことや、満期一括償還の地方債の償還額が大きかったことなどにより、地方債残高が減少し債務償還比率が減少した。今後も新規の地方債の発行抑制を図るなど、適切な公債費管理に努めていく。
公共施設等総合管理計画などの策定による、老朽化した施設の集約化・複合化を進めてきたことにより、老朽化した施設の除却が進んだため、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を下回っている。また、将来負担比率は令和2年度に引き続き、一般会計や下水道事業会計の地方債現在高の減少などにより充当可能財源等が将来負担額を上回ることとなったため、有効数字とならず「-」となっている。今後も引き続き将来を十分に見据えた財政運営に努めていく。
将来負担比率は平成29年度より類似団体内平均値と比較して低い水準にあり、令和3年度においては、前年度に引き続き充当可能財源等が将来負担額を上回ることとなったため、有効数字とならず「-」となっている。一方で、実質公債費比率は、花園ラグビー場や文化創造館などの大型施設の建設事業にかかる元金償還が令和2年度から始まったことなどにより、前年度に引き続き類似団体内平均値を上回った。
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