地域において担っている役割
綾部市立病院は市内唯一の公立病院であり、急性期の地域中核病院としての役割を担っています。また、平成28年5月からは地域包括ケア病棟を50床導入し、回復期・慢性期病床も望む地域ニーズに応える病院となっています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び②医業収支比率については、平成28年度は指定管理者職員に係る退職給付引当金を一括計上したこと等により悪化しましたが、平成29年度はほぼ平年並みとなりました。④病床利用率は、類似病院平均値を大きく上回っており、効率的なベッドコントロールが実施できています。⑤入院患者1人1日当たり収益は、眼科や耳鼻咽喉科の常勤医が減となった影響等により前年度比で減となり、ほぼ類似病院平均値並みとなりました。⑥外来患者1人1日当たり収益は類似病院平均値を上回っており、高い収益率となっています。⑦職員給与費対医業収益比率は、類似病院平均値より低い値となっており、効率的な病院運営が実施できています。⑧材料費対医業収益比率は、当院は院内処方を実施しているため、類似病院平均値より高い値となっています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は45.1%と類似病院平均値と近く、適切な数値と考えます。②器械備品減価償却率は類似病院平均値よりやや高い値となっており、過年度に導入した医療機器の老朽化が進んでいます。今後については、病院全体の経営状況を踏まえながら、計画的な更新に努めていきます。③1床当たり有形固定資産は、平成27年度に完了した第4次整備事業の影響により、類似病院平均値を大きく上回っています。
全体総括
平成27年度までは経常収支比率100%以上を維持していましたが、平成29年度は外来患者数の減等により、経常収支比率が100%未満となりました。今後も、市内人口の減少や常勤医師の不足などにより、経営状況はより一層厳しくなっていくものと予想されます。病院経営を安定的に行うため、高い病床利用率を維持するとともに、病診・病病連携などによる新規患者獲得や経費削減に取り組み、経営の健全化に努めていきます。