地域において担っている役割
救急告示病院・災害拠点病院・病院群輪番制病院等の指定を受けており、伊賀地域における災害時医療・二次救急医療の一端を担っているほか、地域医療支援病院として開業医と密に連携し、地域医療を支えている。
経営の健全性・効率性について
平成28年度に68.1%まで回復した病床利用率は平成29年度には71.1%となり、類似病院平均には届かないものの回復傾向にある。このことに伴い入院収益が増加した一方で、主に診療材料費の抑制が要因となり、経常収支比率・医業収支比率・材料費対医業収益比率等の指標が改善した。しかしながら平成27年度から類似病院平均を下回っている入院患者1人1日当たり収益については平成28年度をさらに下回る結果となり、収益の効率性が悪化している。そのため平成30年度よりDPC対象病院の指定を受け、収益効率の改善を図るものである。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率と器械備品減価償却率のいずれの指標についても類似病院平均を上回っており、老朽化傾向は顕著である。平成30年度に高額医療機器の更新を予定していることから器械備品減価償却率については数値改善の見込みがあるが、主に建物を中心とする有形固定資産減価償却率は、類似病院平均を上回る傾向が続くと見込まれる。
全体総括
主に病床利用率の改善を要因として、平成28年度から2年続けて医業収支比率が類似病院平均を上回り、収支が改善・安定傾向にある。一方で、入院患者1人1日当たり収益については類似病院平均を下回る年度が続いていることが不安材料となっている。また、材料費対医業収益比率については年によって数値が安定しないため、このことにも留意する必要がある。一方、建物を中心とした有形固定資産全体の老朽化は顕著である。器械備品の老朽化については金額的に解消も見込めるが、有形固定資産全体は金額も大きく、また減価償却率についても類似病院平均を大きく上回っているため、少なくとも早期の解消は厳しいと見込まれる。