地域において担っている役割
当院は、常滑市唯一の入院施設を持つ病院として、急性期患者に対応するため、急性期医療の提供を続けている。そして、今後増えることが予想される回復期患者にも充分対応していくため、急性期医療を主体としつつも回復期医療などにも取り組むケアミックス型病院としての役割を果たしている。また、平成28年1月4日、厚生労働大臣から国内4番目となる特定感染症指定医療機関の指定を受け、未知の感染症の蔓延を水際で防ぐ役割を担っている。そして、平成30年2月1日に訪問看護ステーションを開設し、病院から在宅へスムーズに移行できるよう、地域包括ケアシステムの中核としての役割を果たしています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び②医業収支比率について、新病院建設時に一括購入した医療機器に係る減価償却費が毎年約4億円発生しているため低い。それに加え、旧病院解体関係費に係る特別損失が発生していることにより、③累積欠損金比率が高くなっている。④病床利用率について、病床調整会議による病床コントロールを行っていることから、類似病院平均値より高い傾向にある。当院はケアミックス病院のため、類似病院平均値より⑤入院患者1人1日当たり収益が低い傾向にあるが、回復期リハビリテーション病床で平成29年8月に体制強化加算Ⅱの取得等により、前年度より高い数値である。また、平成28年11月から婦人科の常勤医師が赴任したことにより、従来は受け入れることができなかった患者についても受け入れることが可能になり、⑥外来患者1人1日当たり収益の増加につながっている。⑦職員給与費対医業収益比率について、職員数の増加(平成28年度末374人→平成29年度末384人)及び人事院勧告による単価の向上により増加した。⑧材料費対医業収益比率は、薬品の値引き交渉による値引き率(15.50%→16.25%)に増加したことにより、類似病院平均値より低い傾向にある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率について、新病院建設時に医療機器等を一括購入したことにより、類似病院よりも数値が低い結果となった。また、③1床当たり有形固定資産については、前年度決算で新病院移転時に不用となった有形固定資産を除却したため、類似病院平均と同等レベルとなった。
全体総括
経常収支比率及び医業収支比率は類似病院に比べ低い数値ではないが、当院はまだ損失計上が続いていることから、累積欠損金が計上されている。しかし、平成30年4月からDPCを導入することから材料費等の支出の抑制効果が期待され、経常収支が好転していくものと考えている。今後も平成28年度策定済みの新公立病院改革プランに掲げた目標に向け、経営基盤の強化に向けた一層の取組みを行う。