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地方財政ダッシュボード

愛媛県伊予市の財政状況(2023年度)

🏠伊予市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少に加え、大企業や商業集積地域がない等の要因により財政基盤が弱く、財政力指数は0.40と類似団体より0.03上回っているもののほぼ同水準で推移している。緊急に必要な事業の峻別や投資的経費の抑制等の歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、税収の徴収率向上及びふるさと納税の推進等による歳入確保の一層の推進を図り、財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

類似団体の平均値との比較では3.6ポイント、愛媛県平均との比較では1.0ポイント下回っている。社会保障関係経費の増加は顕著で、特に障害福祉費及び高齢者福祉費が増加している。事務事業の見直しを更に進めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進めるとともに、公共施設の再配置計画に基づく施設の統廃合を進め、物件費、維持補修費、補助費等の経常経費の削減を図り、現在の水準よりさらに改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均より53,666円下回っているが、愛媛県平均と比較すると12,765円上回っている。その主な要因は物件費にあり、保有する公共施設数が多く、その維持管理に費用がかかっているためである。今後の抑制を図るため、予算編成時から厳密な事務事業の選別に務め、特に公共施設の更新等、後年度に多額の物件費を生じる案件については、慎重な判断を行うように努める。

ラスパイレス指数の分析欄

全国市平均より3.1、類似団体平均と比べても1.8下回っている。今後とも各種手当の点検による縮減、特に働き方改革による時間外勤務手当の適正執行への努力を行うともに、地域の民間企業等の平均給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均より2.13人下回っているが、愛媛県平均と比較すると0.55人上回っている。第2次伊予市定員適正化計画(平成22年度~26年度)において30人の削減を行い、適正人員数に達したとの判断から、平成27年度からの第3次計画(平成27年度~31年度)及び第4次計画(令和2年度~令和6年度)ではほぼ現状同数を維持する計画としている。今後住民サービスの低下を招かないよう適性な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

合併特例債・臨時財政対策債以外の市債の償還は進んでいるものの、新市建設計画における新庁舎等の大型建設事業が順次完了し、地方債借入も大幅に増えたことにより元利償還金は高い水準のままであるが、公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金等の影響により若干低下している。今後の建設事業の実施にあたっては、市民ニーズを的確に把握し内容を精査して、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。また、地方債の新規発行の抑制の観点からも起債の発行は元金償還の範囲内での発行を計画している。起債残高を増やすことなく各種事業の進捗を図ることとしている。

将来負担比率の分析欄

類似団体との比較では5.7ポイント上回っており、前年度との比較では3.7ポイント上回った高い比率となっている。これは臨時財政対策債等の基準財政需要額見込額の減や充当可能基金の減少の影響が大きく表れている。しかし、本庁舎等の大型建設事業が完了したことに伴い、地方債発行額が償還額を下回ったことにより大幅な上昇は抑制されたと考えている。今後事業の実施には、事業内容精査の上、後世への負担を軽減するよう歳出規模の抑制に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

類似団体と比較すると0.8ポイント下回っており、愛媛県平均と同じである。職員の増及び給与改定等により前年度を上回っており、第4次定員適正化計画(令和2年度~6年度)に基づき適正な人員管理に努め、各種手当を含めた人件費抑制に繋げていくよう努める。

物件費の分析欄

愛媛県平均との比較では0.4ポイント下回っているが、類似団体の平均値と比べるとほぼ同水準となっている。全庁を挙げて財政改革に取り組んだものの、公共施設の維持管理等に多額の経費がかかっているが、新型コロナウイルスワクチン接種事業費等の減で昨年度よりも若干改善している。今後は民間でも実施可能な業務の民間委託による経費の圧縮を図るとともに、より一層事務事業の見直し等により歳出の抑制に努める。

扶助費の分析欄

類似団体と比べ0.6ポイント高く、愛媛県平均と比べると2.5ポイント低くなっている。昨年度と比較すると2.0ポイント上昇しているが、低所得者給付金等の影響である。生活困窮者、高齢者、児童、心身障害者等に対する支援については、サービスの低下をもたらすことなく適正な経費の支出に努めることで、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

類似団体と比較して2.8ポイント、愛媛県平均より3.2ポイント下回っている。繰出金については、国民健康保険特別会計において、愛媛県が保険者に加わっており、財政運営の責任主体となることから、今後の動向を注視しつつ適正化に努めるとともに、保険税率の適正化を図り普通会計の赤字補てんを減らしていくように努める。また下水道事業・簡易水道事業は、独立採算の原則に立ち返った料金設定等により健全化を図る。

補助費等の分析欄

類似団体と比較してみると1.8ポイント、愛媛県平均より6.2ポイント上回っているが、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した事業者や市民への補助事業が減少した影響により昨年度よりも4.4ポイント低下している。今後は、補助金交付の基準を抜本的に見直し、団体の活動内容も再精査を行い、必要性の低い補助金は見直し、廃止を行う。また一部事務組合の事業内容についても事前の精査に努める。

公債費の分析欄

市町合併後、低金利かつ償還期間の長い地方債を活用してきたため、単年での地方債償還額は、類似団体と比較してみると2.6ポイント下回っている。新市建設計画実施により、本庁舎、図書館文化ホールをはじめとした大型建設事業が実施されたため、今後令和11年度までは増加が見込まれる。大型建設事業の実施にあたっては、市民ニーズを的確に把握し内容を精査した事業実施に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体と比較して1.0ポイント下回っているが、愛媛県平均と比べるとほぼ同水準となっている。当初予算の編成などを通じて、全庁的な取組により財政悪化傾向に歯止めをかけることが急務である。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費については一人当たり205,454円で、低所得世帯給付金に係る事業費の増加等により前年度比7.6%増となっている。衛生費については一人当たり50,106円で、新型コロナウイルスワクチン接種に係る事業費の減少等により前年度比2.4%減となっている。商工費については一人当たり12,860円で、消費喚起事業、中小企業への制度融資の減少等により前年度比20.5%減となっている。教育費については一人当たり39,301円で、小中学校等の整備に係る事業費の増加等により前年度比7.2%増となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり528,714円となっている。普通建設事業費は住民一人当たり31,304円で、一人当たりのコストは類似団体と比較して低い状況となっている。令和元年度に新庁舎建設等の大型の建設事業のほとんどが完了したことによる。それ以外の建設工事等については、公共施設等総合管理計画に基づき、事業の取捨選択を徹底していくことで、事業費の抑制を目指している。補助費等については一人当たり98,415円で物価高騰対策関連事業等の減少により昨年より減となった。今後は補助金交付の適正性の精査を徹底し、見直し及び廃止を行うとともに、一部事務組合への補助金についても抑制に努める。災害復旧事業費については一人当たり3,812円で、令和5年度豪雨災害復旧工事により増となった。扶助費については、一人当たり114,048円で、低所得者への給付金等の事業費増加により増となった。積立金については、財政調整基金や廃棄物処理施設整備基金等の積立ができなかったことから、一人当たり12,164円と前年と比較して大幅減となっており、類似団体と比較しても低い状況にある。今後は歳出全般の圧縮に努め、本市の財政規模に見合った財政調整基金の現状維持を目標に健全な財政運営を図る。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、適切な財源の確保と歳出の精査により、近年取崩しを回避していたが、令和5年度は取崩しを行った。今後の行財政運営及び大規模災害に備え、現在の残高維持が必要である。実質単年度収支は、物価高への対応や社会保障関係費の増大により赤字となった。今後は、積極的な行財政改革を推進し、歳出の削減に努めるとともに財政基盤強化に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

水道事業会計においては、令和2年度から耐震補強にかかる大型事業が増加したことによる事業費が増加しており、令和元年度と比較すると黒字額が減少している。国民健康保険特別会計(事業勘定)においては、毎年一般会計から赤字補填を行わざるを得ず財政を圧迫している状況が続いている。介護保険特別会計は、令和2年度から保険料改定の影響により黒字額の増となった。その他の公営企業会計では、いずれも独立採算制を目標としているものの、一般会計からの繰出により維持されている会計となっている。(伊予港上屋特別会計、国民健康保険特別会計(診療施設勘定)以外の全て)今後も、各会計において独立採算制の原則のもと、財政健全化に向けた取り組みを進めることで市全体として健全な財政を維持していく必要がある。赤字決算に至った会計はないが、一般会計から独立した運営は困難を極めており、公営企業法適用を機に、経営戦略による中長期的な改革が必要である。経営手法としてのPFIや民間委託を検討をするものの、実態とそぐわないとの見解もあり、多くは実施には至っていない。今後は、市総合計画に基づいた事業を実施し、予算においてはこれまでより一層の予算の厳格なシーリングを行い、一般会計からの繰出金・補助金・出資金を抑制しつつ、黒字の維持に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債費比率の分子は、平成29年度以降大型建設事業(本庁舎、図書館文化ホール建設等)の完成に伴い、高止まりの状態であったものの、主に公営企業債の順調な償還等よって特に令和2年度は減少に転じた。しかしながら一般会計においては本庁舎等の大型建設事業の元金償還が本格的に始まり、元利償還金の増加が著しいため、引き続き注視する必要がある。現在、地方債借入にあっては過疎対策事業債等の交付税算入の見込める地方債のみ選択するなど、分子の額の抑制に努めている。今後は令和4年度までに実施された一般会計の大型施設整備事業(本庁舎、図書館文化ホール建設等)に伴い、元利償還金の大幅増加が見込まれるため、今後の事業は緊急度や住民ニーズを十分考慮し、持続可能な財政基盤を構築できるよう努める。また、新たな債務負担行為の設定にも十分注意することとする。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担額については、本庁舎等の大型建設事業が完了し、地方債の現在高も令和元年度をピークに減少している。また、公営企業債繰入見込額についても、下水道事業会計が法適用化したことにより減少している。今後将来負担はより一層抑制できると考えている。充当可能財源等については、臨時財政対策債等の基準財政需要額見込額の減や財政調整基金の取り崩し等による充当可能基金の減少となった。今後の方向性として、一部事務組合及び公営企業等への負担に十分留意しながら財政運営を行うものとする。また、充当可能な基金の現在高が十分にないことにも注意しつつ、今後も将来負担額を抑制するとともに、充当可能財源等の増加を図り将来負担比率の減少に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)特定目的基金のうち、畑地かんがい用水確保基金、義務教育施設整備基金、森林環境譲与税基金、公共施設等総合管理基金、ふるさと応援基金について、目的事業に充当するため取崩しを行った。定額運用基金以外の基金については、利子分の積立を行うとともに、今後見込まれる経費に対応するため、積立を行った。全体で202百万円の取り崩しがあったものの、積立が432百万円となり、230百万円の増となった。(今後の方針)現時点における標準財政規模に対する財政調整基金の割合は19.5%で、基金残高は適正であり、今後の行財政運営のために、現状維持とする方針である。特定目的基金については、基金の設置目的に合った事業へ充当していく。

財政調整基金

(増減理由)R5年度は100百万円を取崩し、基金利子の積立を行った。(今後の方針)長期的に見て財政の各種指標が急激に悪化することがないよう、適切な範囲での取崩しとし、バランスを見極めながら財政運営を行う。

減債基金

(増減理由)R5年度普通交付税の再算定があった「臨時財政対策債償還基金費」48百万円と基金利子の積立を行った。(今後の方針)今後、施設廃止にかかる繰上償還が発生した場合に対応するため、現在の基金残高は確保し、一時的な公債費増に備える。なお、本市では満期一括償還での借入れは行っておらず、今後も行う予定はない。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域福祉振興基金:在宅福祉の向上、健康づくりの推進及び民間活動の活性化を促進し、地域福祉の振興及び増進を図る。・地域公共交通システム運営基金:地域住民の生活交通の確保のため導入する地域公共交通システムの適正な管理運営を行う。・廃棄物処理施設整備基金:廃棄物処理施設整備に要する経費に充てる。・合併振興基金:市民の連帯の強化又は地域振興に要する経費の財源に充てる。・公共施設等総合管理基金:公共施設等の計画的な新規整備事業、更新整備事業、統廃合事業、長寿命化事業、集約化・複合化事業、除却事業等に要する経費の財源に充てる。・ふるさと応援基金:まちづくりを応援しようとする個人、法人及び団体から寄附金を募り、当該寄附金を財源として実施する事業に充てる。(増減理由)・義務教育施設整備基金:学校給食センターの夜間電力蓄熱式蒸気発生装置更新等に伴い7百万円を取り崩し。・合併振興基金:市民の連帯の強化又は地域振興に要する経費の財源に充てるため、316百万円積み立てたことによる増加。・公共施設等総合管理基金:公共施設等の計画的な新規整備事業、更新整備事業、統廃合事業、長寿命化事業、集約化・複合化事業、除却事業等に要する経費の財源に充てるため、38百万円積み立てたことによる増加。また、唐川コミュニティセンター解体工事等に伴い31百万円を取り崩し。・ふるさと応援基金:本庁舎再生可能エネルギーEV電源供給システム導入に40百万円を取り崩し。(今後の方針)・公共施設等総合管理基金:公共施設等総合管理計画に基づく事業への充当額が今後も増加することが見込まれ、特に除却事業等に対しても本基金の活用を見込んでいる。本基金は柔軟な活用が可能な反面、様々な事業に充当が可能となため、充当先を適切に見極める必要があり、市の主要プロジェクトの選定に当たって、緊急性や必要性などを十分精査しながら活用を図る。・義務教育施設整備基金:学校施設の長寿命化改良事業等に活用を図る。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成28年度に策定(令和3年度改定)した公共施設等総合管理計画において、今後40年間で施設総量を20%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めることとしている。有形固定資産減価償却率については、令和元年度に図書館・文化ホール等の竣工や、用途廃止施設の除却などの影響で減価償却率が改善されたがその後は微増してきている。今後は施設の再編・統合や令和2年度末に策定した個別施設計画を基に、老朽化した施設の一部については用途廃止・除却をしていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は減少しつつあるが、類似団体に比べると高い水準となっている。新規の地方債借入等については、さらに慎重に精査を行い、過重な債務とならないよう適正な財政運営を目指す。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は昨年度より微増し、類似団体に比べると高い水準となった。これは基準財政需要額が減少したことや、組合負担等見込額が増加したことが原因である。一方で大型施設の整備事業も終わったことなどにより、地方債の新規発行額が償還額を下回ることで地方債現在高の減少となった。今後は公共施設総合管理計画や個別施設計画を基に、公共施設等の集約化・複合化を積極的に進め、維持管理に要する経費を減少させることに努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあるが、将来負担比率については類似団体よりも高い水準となった。図書館・文化ホール等建設事業の地方債償還が開始したものの、過去の大型事業の償還完了に加え、過疎対策事業債等の有利な地方債を積極的に活用していることから、今後はさらに改善に向かうと考えられる。ただし、実際の償還額は今後数年でピークを迎える見込みであることから、より一層の財政健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高い施設は、公営住宅、保育所、児童館となっている。公営住宅については、戸建て・長屋タイプの住宅では老朽化が著しく、住民が退去後に閉鎖となっている住宅もある。児童館については、国から譲渡を受け改修したもので、取得時から老朽施設であったうえ、その後改修を行っていないものである。今後とも、公共施設総合管理計画及び個別施設計画を基に計画的な施設管理を行ない、費用負担の縮小及び平準化を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設はなく、体育館・プール以外の施設では、類似団体よりも特に低い数値となっている。福祉施設については、令和2年度に老人憩いの家等3施設について廃止や解体を実施し、新たに中山コミュニティセンターを建築したため数値が改善している。市民会館と図書館については、令和元年度に図書館・文化ホールの複合施設として新たに竣工したため数値が改善している。保健センター、消防施設については平成24年度に建替え済み。庁舎については、平成29年度に建替えを行っている。保健センターを除く一人当たり面積については、類似団体よりも低い数値となった。今後は施設の必要数について十分検討し、各施設とも維持管理経費の抑制に努めていく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が令和5年度期首時点から512百万円の減(△0.9%)となったが、これは令和3年度で大型事業が完了し、資産形成よりも減価償却が上回ったことが主な原因である。令和5年度期末の資産総額のうち、有形固定資産の割合が83.0%、そのうち57.9%を事業用資産の土地建物が占めている。減価償却が終了した建物については公共施設等総合管理計画の方針や個別計画策定の中で、可能な限り整理統廃合を進め、用途廃止、転用、売却や除却などを進める。一般会計等における負債総額は令和5年度期首時点から349百万円の減(△1.4%)となった。普通建設投資等の財源である地方債(1年内償還予定含む)が令和5年度期首時点から383百万円の減となった。令和元年度までは新市建設計画に基づく建設事業や中山スマートインター整備事業等の大型建設投資が続いたため地方債残高が増加したが、令和2年度以降は償還額が借入額を上回り、地方債残高は減少に転じている。全体での資産および負債については、資産1,230百万円の減(△1.4%)、負債1,213百万円の減(△3.0%)となった。これは資産の取得や改修による資産形成よりも減価償却の額が上回った為である。連結においても全体と同じ事由により、資産1,139百万円の減(△1.2%)、負債1,136百万円の減(△2.6%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等における純行政コストは、前年度より899百万円増加(5.6%)となった。補助金が大きく増えたことが、純行政コストの増加に大きな影響となった。経常費用は17,090百万円、そのうち人件費、物件費等の業務費用は8,229百万円、補助金等や社会保障給付等の移転費用は8,861百万円であり、前年度同様、移転費用の方が業務費用よりも多い。移転費用のうち、補助金等及び社会保障給付については7,543百万円と、純行政コストの44.8%を占めている。今後も少子化・高齢化は避けられない一方、税収の増加が見込めないため、事業見直しや経費の適正化に努める。全体では国民健康保険特別会計や介護保険特別会計における支出が補助金等に計上されている。移転費用のうち補助金等及び社会保障給付については452百万円増となり、純行政コストの65.3%と一般会計同様多数を占めている。連結においても、補助金等及び社会保障給付は増加しており、依然として純行政コストの66.7%を占めている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(税収等11,876百万円、国県等補助金4,768百万円)が純行政コストを下回り、本年度は△186百万円と666百万円の減となった。財源については前年度から233百万円増加したものの、純行政コストが899百万円増加したため、差額は前年度より減となった。国県等補助金の増減に配慮しつつ、税収等の一般財源を適切に配分するため、事業の見直しに努める。全体では国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の保険税や保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が2,553百万円多くなっており、本年度差額は△40百万円で、純資産残高は△18百万円となった。連結では愛媛県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が12,317百万円多くなっており、本年度差額は△25百万円で、純資産残高は△3百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,515百万円、投資活動収支は△1,191百万円となっている。財務活動収支については、地方債発行額が償還支出額を下回ったことから、△389百万円となった。本年度末資金残高は1,105百万円と前年度から65百万円の減少となった。大型建設投資が概ね完了したことから、財務活動収支は支出額が増加すると見込まれる。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より786百万円多い2,301百万円となっている。財務活動収支は△1,094百万円となったが、これは一般会計等の影響が大きい。連結では、愛媛県後期高齢者医療広域連合における国県等補助金収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より976百万円多い2,491百万円となっている。投資活動収支では、一部事務組合で建設投資等が行われたため、△1,427百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、前年度より0.1万円減少し、前年度に引き続き類似団体平均を大きく下回っている。主な要因に、道路・公営住宅・公民館・保育園等の公共施設の老朽化が進み、資産価値が減少していること、類似団体より基金資産が少ないことが考えられる。歳入額対資産比率については歳入総額は増加したものの、固定資産の減価償却や基金の取り崩し等の影響で資産合計が減少したため、前年度よりも比率が減少した。有形固定資産減価償却率については、大型建設事業の影響で令和元年度に55.4%まで回復したが、そこから年々微増してきている。今後についても微増していくことが予想される。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、長寿命化や統廃合を進め適切なストック管理に努めたい。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体を下回っている状況が続いている。資産形成の財源が地方債によるところが大きいためである。特に、合併特例債を活用して本庁舎や図書館・文化ホール等の公共施設整備を行ってきたことが主な要因である。将来世代負担率も同様の理由から、類似団体平均を上回っている。今後の建設事業は改修や長寿命化が中心となるが、公共施設等総合管理計画に基づき費用の平準化を図り、償還以上に借入を行わないことを最低条件として地方債残高の抑制に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を下回っている。令和5年度はコロナ関係の補助金に加え、物価高騰対策の補助金が増えたことから行政コストが増加した。また、近年の物価上昇や最低賃金上昇の影響により、人件費等が上昇しており。経常費用の増加につながった。今後も人口は減少していくものの、行政コストは増加すると見込まれていることから、事業内容の精査等コスト管理に努め、適正な財政運営を行う必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は2.8%と前年度と同じ数値となった。令和2年度以降、特別定額給付事業、コロナ対策の補助金、物価高騰対策の補助金等の影響で経常費用が大きく増加した影響がみられる。今後も社会保障等移転費用への積極財政が続くことが予想されるため、物件費などの抑制を通じて数値改善に努めたい。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,