経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、100%を下回っており、平成23年度の料金改定を経た現在も、健全経営とは言えない状態です。よって離島である大島以外の簡易水道8施設を平成29年4月より上水道へ統合することにより、経営の改善を行います。④企業債残高対給水収益比率は、約1,016%となっています。その詳細は、給水収益約1億1,560万円に対し、11億7,600万円の企業債残高を保有しておりますが、平成29年4月より、離島の大島簡易水道会計の企業債残高360万円以外を上水道に統合することにより、企業債残高は、360万円に減少します。⑤料金回収率も100%以下であり、決して適正な料金とは言えませんが、スケールメリットを生かした上水道との統合により今後の状況を注視する必要があります。⑥給水原価も上水道事業に比較すると約82円の費用が嵩んでいます。こちらも上水道事業のスケールメリットを活かして改善いたしますが、簡易水道との統合による上水道事業の経営状態を注視する必要があります。⑦施設利用率は、人口減少などにより低い水準にありますが、施設の統合、規模の見直しなどにより改善に努めます。⑧有収率については、類似団体に比べると高い水準にありますが、今後も施設の更新などにより高い有収率の保持に努めます。
老朽化の状況について
③管路更新率は、平成27年度に比べ大きく減少していますが、平成29年4月からの上水道事業との統合を見据え、簡易水道事業の更新工事を抑制し、統合前簡水事業として上水道会計側で工事を行ったことによるものです。統合後は、新設工事との工事の平準化を図りつつ、優先順位により、耐震化を含め、老朽管の更新を図ります。
全体総括
平成28年度の簡易水道事業は、全国平均及び類似団体に比べると良好であると言えますが、人口減少などにより収益の減少などが懸念され、耐震化、老朽化の更新などの建設改良費への投資は今後厳しくなると予想していました。よって、平成29年4月より上水道事業のスケールメリット(会計規模は、約9倍)を活かして、統合することにより、上水道事業として健全経営に努めます。一方で、離島の大島地区のみが、簡易水道会計として残り、平成29年度より運営することになりますが、定住人口の減少により、給水収益は約17万円となり、一般会計からの繰入に依存することが予想されます。