地域において担っている役割
・八西地域において高度な医療機器を備えた中核病院として、安全で信頼される医療を提供する。・初期救急医療機関及び三次救急医療機関等との連携を取りながら、八西地域での二次救急医療機関として、この医療圏域で完結すべきレベルの二次医療が適正に提供できる体制を整備する。・災害拠点病院、原子力災害拠点病院としての機能を充実する。・八西地域の二次医療提供病院として診療科目の充実を図るとともに、感染症、難病等の政策医療を確保する。また、疾病予防のための健診機能や人間ドック機能を充実する。・医師、看護師等を目指す学生の実習、臨床研修医の地域医療実習の協力病院、専門医研修の協力施設として医師、看護師等の育成に積極的に取り組む。
経営の健全性・効率性について
【①経常収支比率、②医業収支比率】令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う受診抑制等による患者数の減により、医業収支比率は減少したが、新型コロナに対応する診療体制整備のための補助金交付により、経常収支比率は増加した。【③累積欠損金比率】平成26年度に地方公営企業会計制度改正に伴う退職給付引当金等繰入額の一括計上により増加したが、直近5年度は経常黒字による累積欠損金の削減を行えているため、今後も削減が継続できるよう努める。【④病床利用率】看護師不足等による休床があるため、類似病院平均より低くなっている。病院改築に伴い、平成28年9月に許可病床数を削減。稼働病床の利用率は60%を超えている。【⑤入院患者数1人1日当たり収益】類似病院平均を下回ってはいるが、当院の機器やスタッフを考慮すると、安定した収益が確保できていると言える。【⑥外来患者1人1日当たり収益】類似病院平均を上回っている原因として、診療単価が高い診療科の受診割合が増加したこと等が考えられる。【⑦職員給与費対医業収益比率】類似病院平均、全国平均を上回っている原因として、平均年齢、平均経験年数が高いことが影響していると考えられる。【⑧材料費対医業収益比率】類似病院平均、全国平均を下回っているが、今後もコストを抑制しながら、良質な医療を提供するよう努める。
老朽化の状況について
【①有形固定資産減価償却率】病院改築事業に伴う建物解体、建物建設により、平成27~28年度にかけて低下した。現在は改築した建物の減価償却が始まっており当該分増加している。【②器械備品減価償却率】病院改築事業に伴い器械備品を整備したため、類似病院平均、全国平均を下回っている。老朽化が進んだものについては今後も計画的な更新を行う。令和2年度の減少は電子カルテシステムの更新による。【③1床当たり有形固定資産】病院改築事業に伴う建物、器械備品等の更新により平成28年度に大幅に増加した。改築分の減価償却費は収益的収支に計上されるため、今後は計画的に投資を行っていく。
全体総括
平成29年3月に病院改築事業が完了し、4年が経過した。永続的に良質な医療を提供していくために、今後も今まで以上に経費の削減に努め、医療サービスの向上により収益増化を図る。また、安定した医療提供体制の確保や救急医療を維持継続するために、医師及び看護師等の医療スタッフの確保・安定化に取り組む。医師・看護師確保対策の一環として、老朽化した医師住宅の改築事業を実施する。令和3年度に建設用地を購入し、令和4年度から建設工事に着手する予定である。また、看護師及び医療技術員については定年退職後の再任用及び会計年度任用職員制度の利用により今後もスタッフの確保に努めていく。