地域において担っている役割
急速な高齢化が進む中、光市では市民が安心して適切なサービスを受けることができるよう2つの市立病院の医療機能を分化し、限られた医療資源を効率的に活用し必要な医療提供の充実を図っている。このうち光総合病院では、主としてDPCを中心とした急性期医療、外来医療、人工透析医療を行っている。また、離島である牛島診療所へ医師を派遣し、へき地医療拠点病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、新病院移転新築に伴う医療機器等の費用の償還期間は全国平均を下回ることが見込まれる。また病床利用率は減少していることが懸念されるが、入院患者1人1日当たりの収益、外来患者1人1日当たりの収益が上昇傾向である中で材料費対医業収益が減少傾向にあり、このことから医薬品や医療材料の購入価格などが効果的に見直されているものと考える。
老朽化の状況について
光総合病院は、令和元年5月に新築移転し、抜本的な施設整備に取り組んだ。あわせて医療機器に関しても老朽化や移設が困難なものは機器の更新を行った。
全体総括
新病院建設に伴う費用の増加により単年度赤字が一定期間続くことが想定されるが、老朽化の状況を分析すると適切な時期に適切な更新を行ったものと考える。収益に対する費用の面から効率的な運営が出来ていると考えられるが、病床利用率が70%を下回っていることが懸念され改善の必要があると考える。しかしながらこれは新型コロナウイルスの影響が考えられ平均値と比べ比較的ゆるやかに推移しており、新型コロナウイルスの終息に伴い、利用率や収益率が今後改善していくことが期待できる。