経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、令和2年度に対して経常費用(老朽管更新に伴う資産減耗)が増加した為、前年度122.34に対して5.12ポイント下がっている。累積欠損金比率は、営業収益(経常収益)が減少傾向であるものの0%を維持している。流動比率は、次年度において企業債の繰上償還を見込んでいる為、前年度に比べ流動負債(企業債)が増加し、昨年度1390.55に対し357.97ポイント減少した。企業債残高対給水収益比率は、昨年度に続き浄水場更新事業に伴う企業債借入を行った為、昨年度336.54に比べ44.65ポイント増加している。料金回収率については、昨年度新型コロナウイルス感染症対策として水道料金の減免を行った為、給水収益が20.3ポイント増加し、前年度95.8より16.95ポイント増加しているが、料金減免については交付金による他会計補助があった為、経常収益としては1.9ポイントの減少、また経常費用は2.4ポイント増加となっている。給水原価は、年間総有収水量が3.1ポイント減少し、経常費用が2.4ポイント増加した為、前年度より7.75ポイント上がっている。施設利用率は人口減少による有収水量の減少に伴い、全体的に減少傾向で推移している。有収率は5ヶ年平均91.8%であり、年約0.3ポイントずつ減少している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、令和3年度において老朽管更新工事を行ったことにより1.58ポイント減少しているが、60%を超えている状況である。当年度の管路更新に伴い、管路経年化率は3.9ポイント減少し、管路更新率は4.39%となっている。給水区域内における総管延長約38kmにおいて、管路経年化率が50%を超える現状を踏まえ、計画的に老朽管の布設替えを行っていく。
全体総括
現在のところ経常収支比率及び料金回収率は100%以上あり、黒字会計により経営しているが、給水人口の減少に伴い収益が減少していく中で、今後は浄水場の施設更新事業及び老朽管の更新に伴う費用の増加を考慮し、長期的な運営計画、健全な経営を目指していく。