地域において担っている役割
当院は、木曽医療圏で唯一の病院として、24時間365日体制による救急の対応、災害時における医療活動の拠点としての活動、無医地区への巡回診療やへき地診療所への支援、地域がん診療病院としてのがん治療など、地域医療を提供している。また、併設の木曽介護老人保健施設と提携した医療と福祉の切れ目のないサービスも提供している。当医療圏は中山間地域であり、高齢化が進んでいることから、訪問看護等の在宅医療における地域からの期待は大きい。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率がここ数年低下し続けて100%を切っており、類似病院の平均値を上回ってはいるが全国平均には届かず、一層の経営改善の取り組みが求められている。入院患者及び外来患者の1人1日当たり収益は、類似病院の平均値を大きく下回っているが、職員給与費対医業収益比率と材料費対医業収益比率は平均値を下回っており、特に材料費対医業収益比率は全国平均も大きく下回り、効率的な経営に取り組んでいると考えられる。
老朽化の状況について
有形固定資産は類似病院と同程度、器械備品減価償却費率は類似病院の平均値を上回っており、老朽化は解消されていない。将来的には、施設の全面改築も含めて検討が必要である。
全体総括
病床利用率が全国平均より大きく下回っており、減少が続いている。これは、地域の人口減少が影響しており、連動して医業収益も減少傾向にある。今後は明確な目標を定めた収益の向上等、経営の効率化を図る必要がある。