地域において担っている役割
・佐久医療圏の基幹病院として、2次から2.5次医療を担いながら、民間の医療機関だけでは充足しきれない周産期医療、小児医療、リハビリテーション医療、保健衛生事業及び災害時医療等政策的な医療や、へき地医療など不採算部門とされる医療について担っています。・医師臨床研修や、地域の医療従事者、医学生、看護学生等の実習の場の提供など、研修施設としての役割を担っています。・訪問看護、居宅介護支援、地域包括支援センター、介護療養型病床の運営を通じ、地域包括ケアシステム構築の推進に努めています。
経営の健全性・効率性について
①、②、④は減少、③は上昇しました。これは、新型コロナウイルス感染症流行による受診控えに加え、同感染症の院内感染発生によるものです。⑤、⑥は入院、外来ともに近年は増加していますが、類似病院平均値を下回っています。➆は医業収益の減少により上昇し、類似病院平均値を上回っています。⑧は循環器内科・脳神経外科の診療再開や新型コロナウイルス感染症対策により、材料費が増加したものの、類似病院の平均値以下を維持しています。今後、積極的な救急受入や医師確保に取り組み、経営改善に努めていきます。
老朽化の状況について
①は類似病院平均値をわずかに下回りましたが、②は同平均値を上回っています。資産の老朽化は進んでいますが、点検を行いながら施設の長寿命化に努めています。改革プランや院内医療機器購入検討委員会等の検討を行ったうえで、計画的な更新に取り組んでいます。③は類似病院平均値を上回っています。これは、東棟80床のうち医療療養病床40床を削減したことによるものです。残り40床の介護療養病床については、介護医療院に転換する方向で進めているほか、削減病床部分については地域の医療ニーズを踏まえ、有効活用していきます。
全体総括
本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による大幅な収益減少から、昨年度に引き続き純損失を計上することとなりました。当院は、佐久医療圏において担う役割上、収益性は比較的低い傾向にありますが、収益の増加に向け、本~翌年度にかけた南棟改修によるリハビリテーション部門・健康診断部門の拡張、また血管造影室の増築により機能強化を図っています。また、循環器内科、脳神経外科の常勤医師を確保できたことにより、経営基盤の強化につながっています。今後も良質な医療の提供を行い、持続可能な安定した病院経営を行うため、医師確保の推進による医業収益の増加、人件費の適正化や経費の節減により財政の健全性を確保し、経営の安定化に努めていきます。