経営の健全性・効率性について
①給水人口は前年度から3%減少。人口減少の傾向は今後も続くことから、給水人口の確保により収益を上げることは困難。②簡易水道統合事業・施設耐震化事業により企業債残高の割合が高い。今後元利償還期のピークを平成32年度に迎えるまでは漸増する。地勢的条件から給水コストが割高になることはやむを得ないものであり、給水収益に対する企業債残高の割合が高いという理由で過大な設備投資であるとは言えないものである。③水道料金は自然条件等から資本費が高くなりがちで、現在の料金を維持するには、一般会計からの操出金に依存せざるを得ず、料金回収率が類似団体や全国平均を大きく下回るものとなっている。④料金回収率は繰入金が多いことから低い傾向にある。基準外繰出金額は減少傾向にあるものの、高料金対策の繰入金は今後も増額傾向にあるものと見込んでいる。⑤従来の料金体系を維持したままであると、料金回収率は人口減少に比例し益々悪化する。今年度旧町村で格差の大きかった料金体系を見直し統一を検討。今後は2~3年の周期で料金の見直しを行い、全体で10%程度の料金収入の増加を見込んでいる。⑥広大な面積の中に集落が点在し、集落の高低差も大きいことからコンパクトな給水システムの施設整備を進めてきていたため水道施設数が多い。給水人口が減少した現在、施設利用率が年々低下し経営効率が悪化してきているが、今後統合事業が完了すると改善が見込まれるものと思われる。
老朽化の状況について
現在ストックマネジメント計画を策定中である。今後はこの計画に基づき管路等の更新を検討する。
全体総括
①簡易水道統合事業や施設耐震化工事により地方債償還金が多く給水原価が上昇傾向にあり、そのうえ低い給水料金を設定していたことで一般会計からの繰入金に依存した経営である。②今後の給水人口の減少が確実であることから有収水量は減少するため、現在の料金体系で料金の増収は困難であることから、今年度に料金の見直しを行い、全体で10%の料金収入の増加を見込んだ料金体系とする予定である。③現在進めている簡易水道統合整備計画による事業統合が進められており、これにより更新時期に至った施設を抜本的に見直し、高効率で低コストの水道システムの再構築を行い経営の合理化を図り、料金改定の実施と併せて経営の健全化を目指す。