地域において担っている役割
狭心症、心筋梗塞や不整脈等の循環器疾患、肺がんや間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患について、専門医療機関として、質の高い医療を提供している。また、多剤耐性結核対策等の結核医療を継続的に実施し、社会的使命を果たしている。
経営の健全性・効率性について
平成29年度は、肺がん治療について関係機関への広報や、放射線治療を円滑に推進する直通電話の開設などにより、入院患者数や単価が増となり、①経常収支比率、②医業収支比率が改善した。④病床利用率については、職種を横断した会議を設置し、効率的な病床運用を図ったことにより、実患者数が増加し、大幅に向上した。⑤入院患者1人1日あたりの収益及び⑥外来患者1人1日あたりの収益は、増加の傾向にある。⑦職員給与費対医業収益比率については、給与費は増加しているものの、医業収益の増加がこれを上回り、比率は低下している。⑧材料費対医業収益比率は、高額医薬品の値下げの影響等により低下した。
老朽化の状況について
建物、設備ともに老朽化が進んでおり、①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率とも毎年度比率が高まる傾向にあり、平成29年度はいずれも平均値を上回る結果となった。
全体総括
平成29年度は、入院患者数や放射線治療の増加に伴い医業収益が増加した。一方で費用面では、医療体制充実のため給与費の増加はあったが、薬品費や診療材料費等の減少などにより、経常収支比率、医業収支比率共に前年度を上回る結果となった。引き続き地域の医療機関との連携強化によって、効率的な病床運用を行い、収益の向上に努めていく。