地域において担っている役割
海浜病院では、新型コロナウイルス感染症重点医療機関として新型コロナウイルス感染症の診療に取り組んだほか、救急科において、様々な救急疾患の受け入れを行い、新型コロナウイルス感染症疑い患者を含む3,808件の救急搬送を受け入れました。また、地域小児科センターとして、救急疾患から一般診療、専門治療まで幅広い小児医療を提供し、周産期医療では、NICU(新生児集中治療室)を21床用意し、リスクの高い新生児や妊産婦への対応を行いました。さらに、令和2年度から千葉大学医学部附属病院と連携したTEⅬE-ICU(遠隔集中治療支援)を導入し、より専門的視点に立った集中治療を実施しました。
経営の健全性・効率性について
病院事業全体の医業収支は平成25年度より悪化に転じ、以降、累積欠損金も令和元年度まで拡大し続けていました。令和2年度はコロナ禍において院内クラスターを起こすことなく病院運営を継続し、8年ぶりに純利益を計上したものの、依然として厳しい経営状況にあります。そこで、市民が必要とする医療を提供し続けるためにも、「経営の健全化」、すなわち「医業収支の改善」が最大の課題です。病床利用率の向上による収益の増加、給与費・委託料などの支出の抑制により、「医業収支の改善」を図ってまいります。
老朽化の状況について
平均値を大きく上回る減価償却率となっており、これは主に建物をはじめとする施設の老朽化が進んでいることが挙げられます。老朽化への対応として、設備更新や減価償却率には反映されない修繕を順次行っております。平成28年度から令和2年度にかけて、1年度当たり平均で約94百万円の修繕費用を計上しています。今後も必要な設備更新や修繕を行ってまいります。
全体総括
市立病院が、今後も地域において必要な医療提供体制を確保するとともに、経営の効率化を図り、持続可能な病院経営を目指すため、「千葉市病院改革プラン(第4期)」を引き継ぎ、以下4点の実現に取り組んでまいります。1-経営の健全化2-市民が必要とする医療の提供3-安全・安心な医療の提供4-持続・発展のための人材の充実