経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率は、給水収益や一般会計からの繰入金等の総収益が総費用に地方債償還金を加えた額をどの程度賄えているかを表す指標であり、H26年度は72.8%である。数値が100%未満の場合単年度の収支が赤字であることを示しており、経営の効率化に向けた努力が必要である。・企業債残高対給水収益比率は、給水収益に対する企業債残高の規模を示す指標で、ここ数年減少傾向にあり、類似団体の数値に近付きつつある。・料金回収率は、給水に係る費用がどの程度給水収益で賄えるかを表した指標であり、料金水準等を評価することが可能である。当該指標は、供給単価と給水原価との関係をみるものであり、給水に係る費用が給水収益以外の収入で賄われていることを意味する。H26年度は、63.05%であり、繰出基準に定める事由以外の繰出金によって収入不足を補てんしていることになり、更なる経営の効率化が求められる。・給水原価は、有収水量1㎥あたりどれだけの費用がかかっているかを示す指標で、増加傾向がみられるが、類似団体よりは低い数値となっている。・施設利用率については、一日配水能力に対する一日平均配水量の割合であり、施設の効率性を判断する指標であり一般的に高い数値が望まれる。H26年度は67.1%で類似団体を8.14ポイント上回っており、概ね良好である。・有収率は、供給した配水量の効率性を示す指標で、数値が低い場合は漏水等が原因で水道施設や給水装置を通して給水される水量が収益が結び付いていないことを示している。平成26年度は、53.72%であり類似団体の76.58%を大きく下回っており、更なる漏水対策が必要である。
老朽化の状況について
管路更新率は、当該年度に更新した管路延長の割合を表す指標で、管路の更新投資の実施状況を見るもので、H26年度は0.86%である。これは、すべての管路を更新するのに116年かかる更新ペースで、類似団体平均の0.98%も下回っている。管路の老朽化等による漏水により有収率が低い状況からも、老朽管の布設替等も含めた更新計画の策定が必要である。
全体総括
施設利用率・料金回収率・企業債残高対給水収益比率は、類似団体と比べて良い数値となっているが、収益的収支比率・給水原価・有収率・管路更新率は、低い数値となっており、経常的に漏水が多発していることの影響が表れている。今後は、漏水調査の強化や漏水個所の速やかな修繕及び漏水多発管の更新など必要な投資を行うことにより、有収率向上を図るとともに、経営の効率化により費用の削減を進め、経営改善を進める。