地域において担っている役割
地域の中核的病院として、2次救急医療及び手術や急性期の入院・治療を行う一般急性期医療を主体とした機能の充実を図りながら、近隣の高度急性期医療を行う医療機関と円滑な連携・協力体制を構築し、地域密着型の病院としての役割を担っている。また、災害拠点病院として、災害時には各市立病院・診療所と連携して被災患者を受け入れる体制を整備している。
経営の健全性・効率性について
①入院、外来患者数の減少などが影響し、経常収支比率は類似病院平均値よりも低く推移している。②入院、外来患者数の減少により医業収益が減少している一方、職員数の増加に伴う給与費の増加等により医業費用が増加しており、医業収支比率は平成26年度から4年連続で減少している。③平成26年度から会計基準の見直しによる退職給付引当金の計上(5年分割)により、4年連続で純損失が発生し、累積欠損金が年々増加している。④59.1%と類似病院平均値を大きく下回っている。稼働病床数(227床)で算出した場合でも67.1%であり、平成26年度から4年連続で70%を下回っている。⑤前年度と比較して増加しているが、類似病院平均値よりも低い状況が続いている。⑥附属診療所の診療単価が増加していることなどから、4年連続で増加している。⑦職員数の増加に伴い給与費が増加している。⑧類似病院平均値よりも低い水準で推移している。院外処方箋発行率の向上や、導入2年目のSPDシステムの効果により、材料費が減少している。
老朽化の状況について
①類似病院平均値より高く、増加傾向であることから、老朽化が進んでいると判断する。今後は、医療提供体制の見直しを行いながら、改築や新築移転などあらゆる選択肢を視野に入れた施設整備を検討する。②類似病院平均値より高く、増加傾向であることから、老朽化が進んでいると判断する。今後は、医療機器の計画的な整備に努めていく。③類似病院平均値より高くなっていることから、今後は過大投資とならないように、事業全体の再編・ネットワーク化を図っていく。
全体総括
平成28年度に「登米市病院事業中長期計画」(前期H28~H32)を策定し、経営の改善に努めているが、入院、外来患者数の減少による医業収益の減少や、経費等の費用の増加により、累積欠損金が年々増加しており、経営状況は厳しい状況である。さらに、医師不足も深刻化していることから、今後は、経営の効率化と再編・ネットワーク化を図るため、事業全体における医療提供体制の集約化を行い、3病院の機能の見直しと経営形態のあり方について、平成32年度までに検討し、中長期計画の後期計画(H33~H37)として定め、計画的な経営改善に取り組んでいく。