地域において担っている役割
当院は三沢市及び周辺町村の基幹病院として急性期を中心とした二次医療の提供を行うとともに、広域の在宅医療を含めた地域医療の後方支援病院としての役割を担っている。また、地域における保健医療福祉の一体的サービス提供のための拠点機能を有し、緊急性の高い循環器系疾患や腎臓透析に対する機能強化を行い、より精度の高い医療の提供を行っている。更に、基幹型臨床研修病院及び弘前大学医学部附属病院の協力型臨床研修病院として、臨床研修体制の一翼を担い、地域医療水準の向上に寄与している。
経営の健全性・効率性について
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症病床確保により、医業収支比率は4.2ポイント、病床利用率は7.9ポイント減少となったが、病床確保による補助金の増加により経常収支比率は6.7ポイント増加している。職員給与費対医業収益比率については、前年度より13.1ポイント増加しているが、これは会計年度任用制度の開始による給与費の増加、業務支援医師報酬が給与費へ変更となったことによる増加である。類似病院平均値を下回ったまま推移しているため、適切な給与費設定となっているものと考えられる。入院患者1人1日当たり収益については、産婦人科手術件数の増加等により2,329円の増加となった。入院単価については年々増加しているが、類似病院平均値を下回っている状況にある。材料費対医業収益比率は前年度より1.5ポイント増加となり、依然類似病院平均値より高い数値で推移している。令和3年度より開始となる地域医療連携推進法人上十三まるごとネットを利用した医薬品の合同購入等を推し進め費用削減へと繋げたい。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却、器械備品減価償却は徐々に進んでおり、特に器械備品については法定耐用年数の経過から、前年度より4ポイント増加している。医療機器については保守点検を行い、現有機器を適切に管理するとともに、今後も引き続き可能な範囲で更新していく。1床当たり有形固定資産は類似病院平均値より高い傾向にあるが、これはCT、MRIなどの高額機器保有のほか、平成22年の新築移転、平成26年のPET-CT画像診断センターの増築に起因したものである。平成22年の新築移転から10年が経過し、建物や設備に不具合が目立ってきているため、経営状況を鑑みながら計画的な更新や修繕を行い、安心安全な医療の提供体制を整えていく。
全体総括
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響による数値の振れ幅があり、特に医業収益や病床利用率への影響は大きく、著しく数値を落とすこととなった。令和3年度についても厳しい状況が続く見込みであることから、地域医療機関との医療連携やDPCの導入、クリティカル・パスの拡充による在院日数の短縮化、必要な人材の確保などにより収益の増収へ繋げるとともに、診療材料費の抑制を推し進め更なる経営効率化を図り、経営の健全化に努める。