経営の健全性・効率性について
類似団体平均より給水原価が48.19円安く、料金回収率についても26.49%高いことから、比較的類似団体よりも経営は健全であるといえるが、給水原価が供給単価を上回り、収益的収支比率が80.99%にとどまっている。これは給水収益で維持管理費は賄えているが、地方債償還金の一部は賄いきれないということになり、不足分は一般会計からの基準外繰入金により補っている。今後は、給水人口の減少が一段と進み、これに伴い給水収益も減少していくことが予測されるため、適切な料金収入の確保が望まれる。企業債残高はここ数年減少しており、対給水収益比率も類似団体平均より752%も下回っている。平成26年度から若佐簡易水道区域拡張事業による大規模な施設の統合整備を実施しているため、その分の償還額は増えるが、償還完了等もあり企業債残高は減少していくものと予測される。施設利用率は類似団体平均より5.53%低いのは、給水人口の減少や営農用水区域を簡易水道に切替えたことによる施設数の増加が要因であると考えられるが、夏季には配水量が増えるため、適切な稼働状況を見極める必要がある。有収率についても類似団体平均より2.26%低いのは、施設利用率と同様の理由であることから、施設の統合整備(若佐簡易水道区域拡張事業)が進めば、不明水の減少にもつながるため、有収率は上昇することが予測される。
老朽化の状況について
管路更新率は類似団体平均より0.8%下回ったが、全国的に管路更新率は低く、施設の統合整備に伴う管路更新は実施しているが、管路単独の更新は計画的に実施していないため、管路の老朽化は進んでいる。(ただし、H26年度から事業継続中の若佐簡水区域拡張事業では大幅な管路更新を予定している。)
全体総括
類似団体より比較的経営の健全性は保たれていると考えられるが、給水人口の減少が一段と進んでいく中で、収支比率や料金回収率を100%に近づけるためには、料金適正化に向けた検討が必要であり、経営改善が求められる。給水人口の減少や施設数が多いため、効率性に関しては類似団体より低くなっていることから、施設の統廃合等による計画的な更新整備を実施していくことが重要となる。管路の老朽化も進んでいることから、漏水事故等を未然に防ぐため、計画的な管路更新の検討が必要となってくる。