経営の健全性・効率性について
類似団体平均より給水原価が58.45円安く、料金回収率についても28.84%高いことから、比較的類似団体よりも経営は安定しているが、給水原価が供給単価を上回り、収益的収支比率が84.78%にとどまっている。これは給水収益で維持管理費は賄えているが、地方債償還金の一部は賄いきれないということになり、不足分は一般会計からの繰入金により補っている。今後は給水人口が減少している中で、給水収益も減少していくことが予想されるため、適正な料金設定が望まれる。企業債残高はここ数年減少傾向で、対給水収益比率も類似団体平均より577.68%も下回る650.90%となっている。今後、大規模な施設更新(簡易水道区域拡張事業)があるが、償還完了等で企業債残高は減少していくものと予想される。施設利用率は類似団体平均より7.57%低いが、これは給水人口の減少、営農用水が簡易水道に切替ったことによる施設数の増加が要因となる。ただし、夏季には配水量が増えるため適正な稼働状況を見極める必要がある。有収率についても類似団体平均より2.86%低く不明水が多いのは、施設利用率と同様の理由であることから、施設の整備(簡易水道区域拡張事業)が進めば漏水対策にもなり有収率は上昇することが予想される。
老朽化の状況について
管路更新率は類似団体平均より0.74%下回ったが、全国的に管路更新率は低く、施設整備に伴う管路整備は実施しているが、管路単独の更新は計画的に実施していないため、管路の老朽化は進んでいる。
全体総括
類似団体より比較的経営の健全性は保たれているが、給水人口が減少している中で、収支比率や料金回収率を100%に近づけるためには料金適正化等の経営改善が求められる。給水人口の減少や施設数が多いため、効率性に関しては類似団体より低くなっていることから、施設の統廃合等による計画的な施設整備を進めることが重要である。管路の老朽化が進んでいることから、漏水事故等を未然に防ぐため計画的な管路更新が必要となってくる。