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山口県防府市:末端給水事業の経営状況

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経営比較分析表(2023年度)

経常収支比率

累積欠損金比率

流動比率

企業債残高対給水収益比率

料金回収率

給水原価

施設利用率

有収率

経営の健全性・効率性について

経常収支比率は100%を超え、黒字を維持しており、累積欠損金は発生しておらず、類似団体との比較では健全な経営と言える。流動比率は、すべての年度で200%以上となっており、短期的な債務に対する支払能力は十分に確保できているが、類似団体の平均値と比べると低い数値となっている。これは、企業債残高が類似団体と比較して多く、償還期限が1年以内の企業債(流動負債)が多いためである。このことは企業債残高対給水収益比率にも表れており、類似団体と比較しても高い数値を示している。料金回収率は、類似団体の平均値より高く、115%超を維持しているため、給水に係る必要な費用を給水収益で賄えているといえる。また、給水原価については、地下水を水源としていることや山間部が少ないことなどにより、浄水費用等が抑制できていると考えられるため、類似団体と比較して低い水準にある。施設利用率は、配水量が減少したことにより、令和5年度も下降しており、類似団体平均値より低い水準となっている。有収率は92%前後で推移しており、類似団体の数値を上回っている。これは、定期的な漏水調査の実施や管路更新による漏水量の減少、適切な施設管理による効果が現れていると考えられる。

有形固定資産減価償却率

管路経年化率

管路更新率

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率は、令和2年度に施設の更新工事が完了したことにより、一時的に数値が改善しているが、類似団体と同様に償却対象資産の減価償却が進んでいる状況にある。管路経年化率は、類似団体より低い数値で推移しているものの、逓増傾向にあり、管路の老朽化が進んでいる。管路更新率については、当市上下水道ビジョンにおいて目標を設定し、毎年着実に更新を行っている。老朽化の状況については、管路の更新は類似団体を上回るペースで進めているが、管路経年化率は逓増しており、今後も更新を続けていく必要がある。

全体総括

各指標が示すとおり、現状においては類似団体との比較では経営の健全性や効率性が保たれているが、一方で企業債残高対給水収益比率が高い数値を示しており、今後、企業債残高を減少させていくことが課題となっている。また、純利益が減少傾向にあるなか、施設の老朽化対策や耐震化等の課題が山積しており、経営状況を圧迫している。当市においては、令和元年度に策定した上下水道ビジョンにより、計画的かつ効果的な投資と財源の確保など、長期的展望に立った経営計画を推進することで、課題解決を図りながら、健全な経営状況を維持していく必要がある。

出典: 経営比較分析表,

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