地域において担っている役割
①佐賀県西部地域の地域医療支援病院として、急性期医療などの質の高い医療を提供する役割②安心安全で受診できる地域住民のための病院としての役割③患者の紹介・逆紹介や高度医療機器の共同利用、診療情報地域連携システム等を活用し、地域における病病・病診の医療連携を強化する役割④地域の医療従事者の資質の向上を図るため研修会等を開催し、地域医療の充実を担う役割⑤災害拠点病院として、災害発生時における医療救護活動及び県等の要請による医療救護班を派遣する役割
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は昨年度より増加し、3年連続で黒字である。③累積欠損金比率はここ数年減少傾向にあり、平均を大きく下回っている。④病床利用率は平均を上回っているが、新型コロナウイルス感染症の影響等により減少傾向が続いている。利用率の向上を図るため、医師の増員等に取り組んでいる。⑤⑥入院及び外来患者1人1日当たり収益は、昨年度より改善したものの、依然平均を下回っている。さらなる改善を図るため、救急患者の積極的な受入や関係機関への医師確保に向けた要望等の取り組みを行っている。⑦職員給与費は削減できているものの、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い受診を控える傾向が高まったことにより医業収益が減少となったことから、職員給与費対医業収益比率が増加している。
老朽化の状況について
①平成24年3月に新病院として開院し、経過年数がまだ9年であることから、有形固定資産減価償却率は平均を下回っている。②器械備品の更新を進めたことから、器械備品減価償却率は昨年度より改善し、平均を若干下回ることができた。今後も改革プランに基づき、計画的な更新を行う。③1床当たり有形固定資産は、昨年度より改善し平均を約1,300万円下回ることとなった。設備投資が適切であることを示している。
全体総括
新型コロナウイルス感染症の影響により入院及び外来患者数が減少し、それに伴い収益も減少することとなったが、国や県からの支援を受けつつ経費節減に努めることにより、3年連続で黒字を達成することができた。今後も、健全かつ安定的な病院運営を推進するとともに、伊万里市及び有田町が共同運営する中核病院として、佐賀県西部医療圏における医療機関同士の連携や医療資源の効率的運用の促進等を通じて、地域住民が安心して生活できるよう、医療環境のさらなる充実を目指していく。