地域において担っている役割
福岡市における医療施策として求められている、小児高度専門医療、小児救急医療及び周産期医療を提供する中核的な小児総合医療施設として、こどものいのちと健康をまもる役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、4月にCOVID-19対策本部を設置するとともに、「福岡県新型コロナウイルス感染症疑い患者受入協力医療機関」として、コロナ病床の確保や環境の整備など小児のコロナ対策に取り組んだ。その結果、健全性・効率性については,新型コロナウイルス感染症の影響により、病床利用率が例年より下がったが、類似病院平均値を上回っている。入院患者1人1日当たり収益は類似病院の2倍強の数値となっており、材料費対医業収益比率は、外部コンサルによる価格交渉の徹底等により、類似病院平均値よりも低い水準で推移している。
老朽化の状況について
平成26年11月の新築・移転から6年が経過したため、有形固定資産減価償却率については、類似病院平均値に近い水準で推移している。また、器械備品減価償却率については、移転時に更新した医療機器等の殆どが減価償却期を超過したことから、類似病院平均値と比べ高い水準となっている。今後、計画的な医療機器等の更新が必要となる。
全体総括
経営の健全性・効率性を表す指標は、類似病院平均値と比較すると、⑥外来患者1人1日当たり収益を除き、概ね良好に推移しており、現在の経営の状況は健全であるといえる。今後の課題としては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい経営環境が継続するものと考えられるが、引き続き感染症への対応を適切に行うとともに、福岡市立こども病院に求められる役割を果たしていくため、医療環境の変化を踏まえながら必要な医療機能や病床数等について、検討を進めていく必要がある。