地域において担っている役割
2つの公立病院が統合して開院した小豆医療圏唯一の公立病院であり、離島かつ一定の人口規模を有することから、民間病院で提供されていない産科、小児科医療、人工透析、救急医療といった政策的医療を担うほか、万が一の災害時には医療の拠点として機能する役割がある。※平成28年度に開院した。
経営の健全性・効率性について
主な指標の変動と原因については下記による。・医業収支比率の悪化と経常収支比率の改善→コロナ禍における受診制限等により医業収益が減少した→新型コロナウイルス患者専用病床確保料(空床補償)等の補助金が医業収益の減少分を上回った・入院単価の減少と外来単価の増加→手術件数の減少により入院単価は減少→検査等を必要としない(単価の低い)患者の受診控えにより結果的に高単価患者の割合が増加・医業収益に対する職員給与費の増加→分母である医業収益の減少
老朽化の状況について
開院5年目の病院であるため、建物についての老朽化は進んでおらず、有形固定資産すべての償却率は全国平均に比べて大幅に低い。医療器械については開院時に購入した機器の償却が進み、全国平均に近づいた。統合前の病院から持ち込んだ機器については、耐用年数を大幅に経過しているため、それらについては計画的に更新していく必要がある。持込機器については、減価償却後の価格を帳簿価格としているため1床あたりの有形固定資産額が平均より抑えられている。
全体総括
令和2年度は新型コロナウイルス感染症流行により医業損益は大幅に悪化したが、空床補償等の補助金により経常損益は黒字となった。しかし、空床補償が永続的に続くことは考え難く、アフターコロナ後の補償に頼らない経営を見据えていく必要がある。新改革プラン(平成28年度策定:平成29年度~令和2年度)で目標とした、「構成町からの基準繰入のみで運営する」を引き続き前提に置き、経営改善の取り組みを継続していくものである。