地域において担っている役割
光市は急速に高齢化が進み、がん、脳卒中、生活習慣病等に対応する医療機能の充実や、リハビリや長期療養などの医療機能の整備、充実が求められている。限られた医療資源を効率的に活用し、必要な医療提供体制の充実を図っていくため、2つの市立病院の医療機能を分化し、光総合病院は主としてDPCを中心とした急性期医療、外来医療、及び人工透析医療を行う。また、離島にある牛島診療所へ医師を派遣し医療の提供を行う。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は新病院関連経費の影響により全国平均値を下回り、今後数年間は管理運営経費や減価償却費等の影響で全国平均値を下回ると予測される。医業収支比率については病院移転に向けて入院患者数の調整を行ったことで全国平均値を下回ることとなった。職員給与費対医業収益比率については、新病院開院に伴い職員の増員を行ったため類似病院平均値よりも高い水準となった。外来患者1人1日当たり収益は、透析ベット数の増などにより平均値よりも高い水準を維持し、累積欠損金はない。一方で、病床利用率が70%未満で入院患者1人1日当たり収益が平均値を下回っている。新病院開院時に緩和ケア病棟開設とはならなかったが、次年度以降、緩和ケア病棟開設とがん治療の充実に努め、機能を付加することで病床利用率の向上を図ることとしている。
老朽化の状況について
光総合病院では施設の狭隘化・老朽化が進み、病床利用率向上や急性期医療の充実を図るため、抜本的な施設整備が必要であることから、令和元年5月に新築移転した。また、医療機器に関しても新病院の開院に合わせ、老朽化や移設困難な機器の更新を行った。
全体総括
現状は病床利用率70%を切ってはいるが、経費の削減、収益確保に努め、平成21年度より経常黒字を続けていたが、新病院移転に伴い平成30年度より赤字となった。新病院の開設により病床利用率や収益の向上を見込んでいるが、管理運営に関する経費や減価償却費、企業債利息等の義務的な経費が旧病院に比べて大きく増加するため、令和元年度以降は一時的に単年度の赤字を計上する見込みである。