経営の健全性・効率性について
給水人口減少、節水機器の普及により料金収入は年々減少傾向にある。また、別荘地区については定住者が少なく、別荘人口も減少してきているため、建設改良に見合う収入が得られず、経営を圧迫している。平成29年度以降は当面大規模な建設改良も予定しておらず、さらに平成30年度をピークに企業債償還金が減少していく見込み。31箇所もある配水施設の管路及び機械類も老朽化が進む事により、維持管理費が増大し給水原価の上昇が懸念される。深井戸を水源とする地区が多く、ポンプ等機械類にかかる電気料が重荷となっており、取水量の大きな水道施設との接続により、水道の広域化を検討する必要がある。簡易水道9箇所のうちの4箇所は別荘地区に該当し、季節によって配水量が大きく変動するため施設利用率に影響している。有収率が低い原因としては、濁り防止や凍結防止として常に排泥している箇所や飲み水場として配水している箇所が存在していることが挙げられる。
老朽化の状況について
和田地区の送水管老朽化に伴う改修工事を平成22年度から平成25年度の間に事業を実施したため管路更新率は高い。町内には配水管の老朽が進んだ地区や別荘地区(美し松別荘、強清水別荘)の水道施設老朽化等もあるので、計画的に補助事業等を活用して事業を進める必要がある。
全体総括
給水人口減少、節水機器の普及により料金収入が減少傾向のため、料金見直し時期である平成29年には、上水道事業として法適公営企業会計に移行することを見据えて、適正な料金改定を検討する。現在、簡易水道9箇所、飲料水供給施設1箇所で給水されているが、これを長門牧場飲料水供給施設を除く全ての簡易水道は事業統合を行い、長和町上水道事業に一本化し、管理運営の更なる合理化と健全化を行う。安定した水道事業の実現のために的確な資産管理を実施し、中長期的な視点で水道施設更新や財政計画などに取り組んでいきたい。