経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、平成29年度を上回ったものの、100%未満となっており、経費削減等の経営努力が必要である。②累積欠損金比率は、東日本大震災に伴う固定資産除却損(平成30年度はない)が多額のため、類似団体平均値(以下「平均値」)より大きく上回っている。しかし、平成30年10月の使用料改定の効果により、平成29年度よりは28.05ポイント減少している。依然として短期的解消は難しい状況であり、経費削減等の経営努力が必要である。③流動比率は、平均値を大きく下回っており、100%未満である。平成29年度と比較する5.09ポイントとわずかに上回っており、使用料改定の効果であるが、引き続き、経費削減等の経営努力が必要である。④企業債残高対事業規模比率は、使用料収入に対し企業債残高の占める割合が高く、平均値を上回っており、施設の計画的な更新に努める必要がある。⑤経費回収率は、使用料改定の効果もあり、平均値を上回っており、100%を超えている。⑥汚水処理原価は、平均値を下回っている。引き続き維持管理費や施設の計画的な更新による経費削減等の経営努力が必要である。⑧水洗化率は、平成29年度に引き続き平均値を上回っているが、戸別訪問等により、接続の普及促進に努め、さらなる向上を図り、使用料収入に結びつけたい。
老朽化の状況について
当市の管路施設は、昭和50年から整備され、昭和63年に供用開始を行っている。①有形固定資産減価償却率は平均値を下回っているものの、年々数値が上昇しており、法定耐用年数に近い資産が多いことを示している。③管渠改善率は、平成30年度は管渠更新工事がなかったため、0%となった。本格的な更新時期を迎えることを見据え、計画的維持管理と老朽化対策を図る必要がある。(平成31年度からストックマネジメント計画策定に着手している)
全体総括
平成30年10月の使用料改定により使用料は増加したが、一般会計繰入金の減少(供用開始から30年が経過し、高資本対策費に要する経費の対象外となったため)により経常収益は減少した。経常費用は、借換や償還終了による企業債支払い利息の減少等により減少しているものの、修繕費等の増加により、累積欠損金は依然として多額である。施設の更新財源確保の課題もあり、持続可能な事業として収支バランスの改善を図り、経営の健全化・効率化に努めていく。