三豊市：永康病院

地域において担っている役割

①初期から２次までの救急医療機能②高度急性期医療機関での急性期治療を脱した患者へ回復期及び維持期の医療を提供する機能③在宅での医療・福祉を他施設との連携によって推進する中心的な役割④精神科医療においては、三豊保健医療圏での中核的な機能⑤公立診療所や島しょなどへき地医療に対する支援

経営の健全性・効率性について

累積欠損金は発生していない。経常収支比率、医業収支比率はともに類似病院よりも上回ってはいるが、数値的には、両方とも100％を下回っている。傾向として入院患者の減少に伴う料金収入の減少、人件費・経費等の医業費用の増加にあるため今後も単年度収支が赤字になることが予想される。改善策として、医療収益を増加させ、費用を抑えることと、繰入金について病院事業の実態に即した繰出制度の趣旨に沿った繰入基準に見直しながら、全体の経営の改善に取り組みむ必要がある。病床利用率については、毎年減少しつづけており特に平成28年度からは許可病床に対して42床を休床としたためさらに大きく数値が悪化している。今後は市立病院に求められる医療ニーズ及び病床の有効利用に対応した編成となるよう見直しを検討する。入院患者・外来患者の１人1日当たりの収益については、毎年類似病院を下回っており早急な改善が必要である。外来については、基本的なことだが外来診療単価を増加させる入院については、入院診療単価を高めるためにも在院日数の短縮を図り、医師・看護師を含め収益増加に向け努力していきたい。職員給与費対医業収益比率については、職員の年齢の高齢化ともに高くなってきている。材料費対医業収益比率については、類似病院を下回っているが、削減できる費用は削減していきたい。

老朽化の状況について

老朽化の著しい建物の建替えを長年にわたり検討してきたため、設備投資・医療機械備品等の更新は必要最小限に控えてきた。そのため、有形固定資産減価償却率及び機械備品減価償却率についてはともに数値が高く老朽化が進んでおり、中には耐用年数を超えている機器もあり、今後更新等をするにあたって多大な投資が必要になってくると思われる。

全体総括

地域に密着した病院として、市民の健康と福祉に貢献し、安心して医療を受けられる環境を維持していくことが求められている。建物の建替えを検討していく中で、新病院開院後の経営安定化のため、入院基本料の増収、新規診療報酬加算の届出、委託業務の見直し、医薬品・診療材料の費用縮減、病床利用率の向上と短期入院の強化、医療機関への訪問活動の強化等、引き続き経営改善に向けた取り組みを行っていく必要があると考えている。