地域において担っている役割
当院は、長野県唯一のこども専門の病院として平成5年に開設され、一般の医療機関では対応が困難な高度な小児医療の中核病院、県の総合周産期母子医療センターとしての機能を担っている。近年、高度救命救急医療に加え、最先端の機器を活用した早期発見、予防医療等のプレホスピタルケア、在宅移行支援やキャリーオーバー対応等のポストホスピタルケア、難治性小児一般疾患(小児食物アレルギー)への対応等、幅広い分野での、果たすべき役割への期待が高まっている。
経営の健全性・効率性について
・令和元年度は、①経常収支比率、②医業収支比率ともに前年度を下回ったが、経常収支比率は類似病院平均を上回っている。・④病床利用率は、長期入院患者の減少や手術の抑制など、入院患者数が減少したことにより前年度と比較して減少した。・⑦職員給与費対医業収益比率は、職員数や超過勤務手当の増加により比率が大きく上昇、⑧材料費対医業収益比率は、診療材料費用の増加により前年度を上回る比率となった。
老朽化の状況について
類似病院の平均値と比較すると、有形固定資産の減価償却率、器械備品減価償却率とも、老朽化の状況は類似病院並みと考えられる。1床当たり有形固定資産に関しては、全国平均に比べ高額となっているが、高度先進医療を提供するために行ってきた必要不可決な投資であると考える。将来的には、施設の全面改築も含めて検討が必要である。
全体総括
経常収支比率は前年度より下回ったが、類似病院平均及び全国平均を上回っている。医業収益は高額な手術件数の増加や外来患者数の増加に伴い収益は増加したが、職員及び超過勤務手当等の給与費増加や材料費の増加により費用も増加している。今後は、働き方改革への対応も踏まえて、引き続き給与費等の圧縮による支出の抑制を図っていく。