地域において担っている役割
救急医療、小児医療、リハビリテーション医療、周産期医療などの不採算部門に関わる医療の提供
経営の健全性・効率性について
R1年度は、入院、外来共に1人1日当たりの収益が前年度に比べ向上したが、病床利用率が4ポイント以上前年度に比べ低下したため医業収益が確保できなかった。材料費対医業収益比率は前年度同様の一定の効率化を維持することができた。しかし、職員採用などで診療体制の充実を目指したが、それに見合う入院患者数を確保できず、職員給与費対医業収益比率は前年度を大幅に上回る62.7%と悪化している。これは、医師の異動・退職などで提供できる診療内容に一定の制限が加えられたことや、年度後半に発生した新型コロナウイルス感染症が大きく影響したものである。
老朽化の状況について
一連の改築事業が終了しているため、いずれの指標も全国平均値を下回る状況にあるが、当面、器械備品の整備にあたっては過大な投資とならないよう精査が必要である。
全体総括
令和元年度の経営状況は、医師の異動・退職などによる変化により、提供できる診療内容に制限が加えられたことや、新型コロナウイルス感染症の影響により、入院、外来患者数ともに年度後半に減少が顕著となった。結果として医業収益の大部分を占める入院収益が大きく減少し、医業収支比率は89.5%と低下し、2期続いた黒字を継続することができない結果となった。今後も、高度急性期医療の実践を中軸とする中で、回復期機能としての地域包括ケア病床を活用するなど地域医療連携を推進し、救急医療や小児医療、リハビリテーション医療や産科婦人科を含む周産期医療など地域に求められる当院の役割を担っていくために、医師などの医療人材の適正な配置に努め、病床利用率の向上など、医療収益を上げながら人件費比率や材料費比率の適正化を目指していく。