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市町村合併後の財政需要に対して、個人・法人の市民税や、固定資産税などの自主財源の割合が低位にあることなどから、0.42と類似団体平均を下回って推移している。今後も、鶴岡市行財政改革推進プランに基づき、安定的な収入の確保のため、税源のかん養、市税などの徴収率向上とともに、歳出では義務的経費を含めた経常経費の一層の見直しを図り、健全な財政運営に向けた取り組みを強化していく。
地方税、地方消費税交付金などが増となった一方で、臨時財政対策債が大幅に減となったことに加え、経常の維持補修費・物件費・公債費等が増加したことにより、5.3ポイント増加した。自立支援給付事業や社会福祉費関係の繰出金、老朽化した施設の維持管理費などが増加傾向にあることから、今後も経常経費の削減に努め、より弾力性のある財政構造を目指していく。
施設の光熱費や燃料費の増などにより、前年度と比べ人口1人当たり657円の増加となっている。類似団体と比較しても高い水準にあることから、引き続き内部管理経費の節減を進めるなど経費の削減に努めていく。
平成17年10月の市町村合併により、類似団体の平均を上回っている。組織機構の再編や事務事業の見直し、民間委託の推進により、職員数は減少傾向にあるが、依然として高水準にある。今後も定員適正化計画に基づき、類似団体並みの職員数を目標として、適切な定員管理に努めていく。具体的には令和4年度から令和8年度の間に18人(1.4%)の削減を目標とする。
大規模投資事業の元金償還が始まったことなどにより、前年度に比べ0.6ポイント増加している。今後も投資事業の計画的実施や将来負担の軽減策を講じながら、公債費の適正管理に努めていく。
大規模投資事業が終了したことに伴い、起債発行額が減少したことにより地方債残高が減少したことに加え、公営企業債の残高が減少したことなどにより、前年度に比べ4.0ポイント減少している。今後、市債の繰上償還による市債残高の低減や、適正な債務負担行為の設定のほか、適正なプライオリティと費用対効果に基づく投資事業の実施などにより、将来負担の軽減に努めていく。
ごみ焼却施設整備や最終処分場整備等の大規模投資の縮小に伴いそれまで普通建設事業となっていた清掃費の人件費が経常人件費となったこと、職員数は減員となったものの、給料表や勤勉手当の増改定等により職員給が増加したことにより、人件費に係る経常収支比率は前年度と比較して0.6ポイント増加した。なお、類似団体と比較すると高い水準となっていることから、更なる組織機構の見直しや民間委託の推進により定員の適正化に努める。
物件費に係る経常収支比率は前年度より1.5ポイント増加した。これは、物価高騰対策として実施した給食費の無償化に伴う給食費の減による給食提供にかかる経費の一般財源分の増、各施設の光熱費等の増などによるものである。今後も各施設の維持管理費の適正化を図るとともに、引き続き内部管理経費の削減に努めていく。
子育て支援医療給付事業の増加などにより、扶助費に係る経常収支比率は、前年度より0.1ポイント増加した。全体の傾向としては、医療扶助等の各種扶助費の増加や自立支援給付費などが増加しており、扶助費総額の増加傾向は今後も続くものと予測される。
補助費等に係る経常収支比率は前年度より0.2ポイント減少した。これは、病院事業会計負担金及び交付金への基金繰入による一般財源の減等によるものである。引き続き、行政の責任分野、経費負担の在り方、行政効果等を精査し、類似補助金の統合、支援の重点化、サンセット方式の徹底等により見直しを進める。
公債費に係る経常収支比率はごみ焼却施設整備事業や本庁舎耐震補強事業、最終処分場整備事業等の元金償還が始まったことに加え、繰上償還を実施したことから、1.6ポイント増加した。今後も引き続き大型事業が控えていることから、公債費の増加と高止まりが予測されるが、投資事業の計画的実施や将来負担の軽減策を講じながら、公債費の適正管理に努めていく。
扶助費や物件費の伸びが続くことが見込まれるが、定員適正化計画の着実な遂行による人件費の減によって、数値の改善を図るとともに、今後も鶴岡市行財政改革推進プランに基づき、引き続き経常経費の削減に努めていく
(増減理由)・決算剰余金の一部等を「財政調整基金」に3億6,507万6千円、「減債基金」に1億9,876万1千円、「地域まちづくり未来基金」に1億8,011万8千円を積み立てるなど、総額で9億65万8千円を積立てた。一方で、最終処分場、小学校改築に充てるため「公共施設整備基金」を1億5,598万8千円、工業団地水道施設の購入に充てるため「中央工業団地内財産整備基金」を1億5,122万円取り崩したことなどにより、総額8億170万6千円を取り崩した。結果、基金全体としては9,895万2千円の増となった。(今後の方針)・地方財政法第7条の規定に基づき、決算剰余金を活用した基金積立てと市債の繰上償還をバランスよく行っていく。・合併特例期間の終了に伴う一般財源不足への対応として、財政調整基金及び減債基金の取崩しや特定目的基金の積極的な活用を図っていく。
(増減理由)・単年度収支が黒字となることから取崩しは行わず、決算剰余金の一部等を3億6,507万6千円積立てたことにより増加した。(今後の方針)・決算剰余金等を活用して積立てを行う一方、一般財源の不足が生じた場合には、残高に留意しつつ取崩しを行っていく。・財政の安定運営を図るため取崩しを行いつつ、前年度の決算において財政調整基金を大きく取り崩した場合は、翌年度の決算剰余金の処分において財政調整基金に積み立てし、財政調整基金の安定を図る。
(増減理由)・決算剰余金の一部等を1億万9,876万1千円積立てたことにより増加した。(今後の方針)・近年実施しているごみ焼却施設や一般廃棄物最終処分場整備等の大型投資事業により、今後増加が見込まれる公債費の財源として活用する。取崩しを行う際も、将来的な償還財源確保の観点から、残高20億円を下回らないように努める。
(基金の使途)・地域振興基金:住民の一体感の醸成及び地域の振興・公共施設整備基金:公共施設等の整備及び公共施設等における備品購入・加茂水族館整備振興基金:鶴岡市立加茂水族館施設の管理運営及び整備・地域まちづくり未来基金:地域社会・コミュニティの振興及び均衡ある発展・緊急経済対策金融支援基金:新型コロナウイルス感染症の緊急経済対策に係る利子補給等に必要な財源の確保(増減理由)・地域振興基金:病院事業会計対する繰出金に充当するため、1億4千万円を取り崩した。・公共施設整備基金:利子収入等を45万4千円積立てた一方で、朝暘第五小学校改築事業などの財源として1億5,598万8千円取り崩したことにより減少した。・加茂水族館整備振興基金:利子収入等を127万円積立てた一方で、改築事業のため518万2千円取り崩したことにより減少した。・地域まちづくり未来基金:地域まちづくり未来事業の財源として1億4,732万6千円取り崩した一方で、決算剰余金等から1億8,011万8千円積立てたことにより増加した。・緊急経済対策金融支援基金:利子収入等を41万6千円積立てた一方で、緊急経済対策に係る利子補補給に充当するため3,372万2千円取り崩したことにより減少した。(今後の方針)・地域振興基金:運用益の事業への充当を行うとともに、基金の目的事業の財源として取崩しを実施していく。・公共施設整備基金:決算剰余金を活用した積立てを継続しつつ、朝日庁舎改築事業や朝暘第五小学校改築事業等の公共施設の整備などに随時取り崩しを予定している。・加茂水族館整備振興基金:実施中の加茂水族館改築事業の財源として活用していく。・地域まちづくり未来基金:地域まちづくり未来事業の財源として活用していく。・緊急経済対策金融支援基金:利子補給等の経済対策事業に取崩しを予定している。
平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設等の「総量の適正化」「安全性と利便性の確保」「計画的な投資」を基本原則とし、老朽化した施設の集約化・複合化、除却、長寿命化等を進めている。有形固定資産原価償却率は、類似団体より高い傾向にあったが、令和3年度は施設改築や長寿命化工事の結果、類似団体よりやや低い水準となった。今後も引き続き公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づく施設の適切な管理を進めていく。
債務償還比率は類似団体平均を上回っている。要因は、類似団体と比較して職員数が多く、人件費が多額であることや、地方債残高が多いことである。地方債残高に関しては、大規模投資事業に伴い増加傾向が続いてきたものの、今後は大規模投資事業の終了による起債額の減や元利償還の開始により、減少が見込まれる。人件費については、行財政改革に基づく定員管理適正化の実施による退職手当負担見込額の縮減等に取り組んでいく。
将来負担比率は令和元年度は大型投資事業に伴う市債発行額の増加により増加に転じたものの、令和2年度は充当可能財源等の増、令和3年度は普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の増に伴う標準財政規模の増、地方債残高の減により、減少している。有形固定資産減価償却率は、令和3年度は類似団体よりもやや低い水準となったものの、公共施設等の新設、更新が全体的に抑制されてきたことと、総量が大きい橋梁・トンネルの有形固定資産減価償却率が70%を超え、公営住宅の有形固定資産減価償却率も70%を超えていることなどにより、引き続き増傾向となっている。今後とも公共施設等総合管理計画等に基づき、老朽化対策に取り組んでいく。
将来負担比率は令和元年度は大型投資事業に伴う市債発行額の増加により増加に転じたものの、令和2年度は充当可能財源等の増、令和3年度は普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の増に伴う標準財政規模の増、地方債残高の減により、減少している。実質公債費比率は、類似団体と比較して下回っている。これは、合併特例債や過疎債、緊急減災・防災事業債など、交付税の基準財政需要額に算入される地方債を活用していることによる。今後は、大型事業の償還が本格化し一時的に元利償還金の増加が予測されるが、投資的事業の計画的実施や将来負担の軽減策等を講じながら、持続可能な行財政基盤の確立を図っていく。
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