経営の状況について
【風力発電】2基ある風車のうち1基(2号機)は機器不具合により、年間を通して運転停止している。もう1基(1号機)についても経年劣化等による機器不具合のため、短期間の運転停止及び修繕が頻発した。また、大規模修繕を要する機器不具合による長期停止も発生した。以上の要因から、風力発電の設備利用率は2.8%(令和元年度比▲0.5ポイント)に低下し、営業収支比率が目安の100%を下回った。また、EBITDAについても同様の理由でマイナスとなっている。今後は点検の強化により、機器の不具合を早期に発見することで、大規模修繕の未然防止につなげる。それによって、長期間の運転停止に陥らない様に務め、収益性を改善を図る。
経営のリスクについて
【風力発電】①設備利用率については、令和2年度においては直近5年間で最低値となっている。これは「1.経営の状況について」においても触れた機器不具合等に起因するものである。②修繕費比率については、経年劣化が進んでおり、細部のみならず大型機器に不具合が発生してきている。今後の不具合発生状況によっては、多額の修繕費を要するリスクがある。③企業債については、平成29年度に償還完了。④FIT収入割合については、全量FIT価格での売却のため100%であり、収益の安定性が確保されているが、FIT期間終了後の収入減少リスクが懸念される。
全体総括
【風力発電】風力発電は風況により収入が不安定であるうえに設備修繕費の増加、長期間の稼働停止等に伴う売電収入の減少などにより経営状況は不安定な状態にある。企業債は平成29年度に償還完了しており、大規模修繕の未然防止ができれば、設備稼働率の上昇、収益の確保は可能であると考える。耐用年数(17年)も既に経過しており、今後の風力発電事業のあり方について検討を進めていく必要がある。