経営の状況について
●事業開始から現在に至るまで一般会計等からの繰入れを行うことなく、電力売却収入から生じる収益によって経営を行っております。また、毎年度、剰余金相当額((総収益)+(前年度繰越金)-(営業費用))を、予算の範囲内で一般会計に繰り出すこととしております。●平成28年度から令和元年度までは、営業収支比率が200%を超えていましたが、令和2年度以降、売電単価下落の影響により200%を割り込んでいます。令和3年度は、隔年実施の蒸気タービンの点検整備がなかったため、営業収支比率が若干改善されましたが、今後も電力市場の動向に注視していきます。●収益的収支比率及びEBITDAがそれぞれ100%前後、±10,000千円の範囲で推移し、平均値を大きく下回っているのは、上記のとおり、剰余金相当額を一般会計に繰り出している(営業外費用に計上)ことによるものです。●平成25年度に企業債の償還が終了しており、以降、営業収支比率は100%を大きく上回っており、安定した経営を行っております。●供給原価は、発電設備の保守点検・整備費用の増減に比例して増減しております。令和3年度は、令和2年度と比較して保守点検等費用が減少したため、供給原価も減少しています。
経営のリスクについて
●設備利用率は、発電用蒸気タービンの改良を行った平成26年度以降、安定かつ効率的な発電を行っており、75%以上で推移しています。●しかし、人口減少や構成市村のごみ減量の取組みにより、年々ごみ搬入量の減少が見込まれることから、安定した発電電力量の確保が課題となっております。●また、売電単価は下落傾向にあり、契約時期、契約方法の検討と並行して、特別会計(法非適の公営企業会計)の廃止も選択肢から除外せずに検討が必要であると考えます。●修繕費比率は、当該事業に係る設備が「ごみ焼却施設」と一体となって行っており、発電に係る修繕費のみを分けることが困難であるため、算出しておりません。●平成25年度に企業債の償還が終了して以降、借入を行っていないため、企業債残高対料金収入比率は0%となっています。●当該事業についてFIT制度の適用はありません。電力の売払いにあたっては、電力市場の動向を注視しながら、入札によってより有利な売電に努めていきます。
全体総括
●令和元年度に、将来に渡って安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定し、発電設備の着実な点検・整備による安定的な発電電力量の確保に取り組んでいます。●しかし、売電単価がかつてのような高水準で移行することは想定しがたく、将来的には、一般会計からの繰入れなしには事業が継続できなくなることが予想されます。●特別会計(法非適の公営企業会計)の廃止も選択肢に入れ、今後の経営について検討していきます。