経営の状況について
経年劣化やこれまでの売電状況との比較によると、安定した経営を行えているといえる。支出の大半は点検費用や賃貸借契約となっており、年度による大きな変化はない(5年毎の大規模点検を除く)。そうした中でも、点検項目の見直し等により経営状況の改善にも努めている。また、売電状況は天候に左右されるが、大きな変動もなく安定的に売電ができている。詳細な現在の経営状況は以下のとおりである。・収益的収支比率は100%を上回っている。単年度の収支が黒字であり、健全な経営状態にあると言える。しかし、費用には当該事業による剰余金からの一般会計への繰出金を含んでいるため、平均より下になっている。・営業収支比率は100%を上回っており、営業活動から生じる収益で必要な費用を賄うことができている。・供給原価について、前年度と比較すると、大きな変動は見られず、施設の経年劣化及び天候の変化によるものと思われる。平均値と当該地の差については、費用に当該事業による剰余金からの一般会計への繰出金を含んでいるためである。・EBITDAについて、費用には当該事業による剰余金からの一般会計への繰出金を含んでいることから分析は不可能である。繰出金の基準について、100万円を基準として繰出金としている。
経営のリスクについて
発電開始時期については、以下のとおりであり5施設とも新しい施設である。また、発電型式は同じである。西山太陽光発電所平成27年4月(増設分:平成29年8月)岨谷1号太陽光発電所平成27年8月(増設分:平成29年8月)岨谷2号太陽光発電所平成28年3月岨谷3号太陽光発電所平成27年10月岨谷5号太陽光発電所平成27年11月(増設分:平成29年8月)・設備利用率について、太陽光(メガ)の設備利用率の基準は14%(*)であり、それを上回っているため、健全な状態であるといえる。(*)資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」で設定されている設備利用率から引用・経年劣化による大きな修繕も発生しておらず、今後とも維持管理に努めていきたい。・発電施設の整備は全てリース方式としていることから、企業債が生じておらず、リスクは限定的である。・FIT収入割合が100%であるが、リース契約期間が令和17年までであることから、固定価格買取期間終了後は、撤去することも視野に入れ、維持管理基金を構成し、これに充てることとしている。・財源はすべて売電収入である。自然現象や気象条件に左右されるとはいえ、FIT法により、20年間同価格での買取であるため、財源は安定的である。・リース契約内で動産保険に加入しているため、自然災害や不慮の事故等、機器の故障については補償される。また、企業費用・利益総合保険に加入しているため自然災害や不慮の事故等による発電停止については、売電収入が補償される。
全体総括
経営は健全であると考えられる。定期的な電気設備の点検費用や修繕費等の支出に備え、維持管理基金を構成し、安定的な運営に努めることとしている。また、施設の保守点検も業者と連携し十分に実施しており、健全な運営ができているといえる。