経営の状況について
【経常収支比率】【営業収支比率】予想値を上回る発電をしたことに伴い、共に100%を超えており類似団体と比較しても高い傾向にあり、経営の健全性は確保されている。【流動比率】順調に発電できたことにより、流動資産(現金)は増加しているものの、建設費の起債償還が平成29年度より開始されたことにより流動負債が増加し大きく数値を下げる結果となっている。100%を大きく上回り、微増傾向にあるため短期的な債務の支払能力に問題はないが、平均値よりも下回っているため現金等の資産の確保に努めていく必要がある。【供給原価】販売電力量1Mwhあたり、どれだけの費用がかかっているかを表す指標である。総費用の大部分を減価償却費が占めているため、現状の費用を大幅に削減することは困難な状況ではあるが、平均値より高い数値であるため維持管理費等の縮減に努めている。【EBITDA】企業の本業の収益が継続して成長しているかどうかを判断するための指標である。平均値より低い数値となっているが、当事業は他団体と比較すると発電規模が低いためと考えられる。
経営のリスクについて
【設備利用率】発電能力と実際の発電電力量との割合であるが、太陽光発電の中では平均値を上回っており、現時点では効率的な発電が行えていると考えられる。【修繕費比率】【有形固定資産減価償却率】両比率ともに平均値よりも低い。機器設備等も比較的新しいため現状では修繕も少ないが、経年劣化とともに予期しないパネルの破損や機器の更新等も発生するおそれがあることから、計画的な財源確保が必要となる。【企業債残高対料金収入比率】平成29年度より用地購入費の起債元金償還が始まり、平成30年度より建設整備費の起債元金償還が始まったことから、償還財源の確保が重要となる。平均値との比較としては、平均値を超えているものの、上記の通りの償還開始に伴い、この比率も徐々に下がる傾向にある。【FIT収入割合】過年度と同様の100%という数値を示しており、これは平均値とも同一である。太陽光発電事業については再生可能エネルギー固定価格買取制度での実施に限定されていることが分かる。この結果を受けての今後の展望としては、以下全体総括に記載する。
全体総括
発電を開始後7年が経過したが、比較的安定した発電を行えている。現状では、経営の健全性や効率性は確保されていると考えられる。本事業の利益の一部は一般会計へ繰り出し、公共施設の電気使用料や地球温暖化対策設置機器補助金の財源となっていることから、今後も経費の削減を図りながら健全な事業を行っていく。また、固定価格買取制度の調達期間の終了期間を踏まえ発電所の廃止や民間譲渡を検討する必要がある。