経営の状況について
・松川町発電事業は公共施設の屋根に太陽光発電設備を設置し、FITによる売電収入を得ることを目的に平成27年6月に特別会計を創設した。設備の所管替えと設備工事を行い、平成28年10月末から計画した5施設で発電している。収益的収支比率、営業収支比率とも4,648%であった。令和3年度は法定点検該当施設がなく、松川町役場の計量器交換のみで大きな修繕等がなかったため、前年度1,531.2%より上昇した。単年度収支は黒字であり、修理・点検によって変動があるものの、今後も同程度で推移していくと見込まれる。供給原価については852.3円で同様の理由から前年度2,590.2円より原価が減少した。EBITDA(減価償却前営業利益)は9,187千円で、料金収入は261千円減少したものの修繕費が減少したために前年度の9,045千円より営業利益が上昇した。令和4年度は5施設で発電開始から6年目であり、経営状況の分析は今後の発電状況等の経年比較を見る必要がある。
経営のリスクについて
・設備利用率は16.4%で前年度の16.9%とほぼ同等である。太陽光発電は天候状況に大きく発電電力量が変動するリスクを抱えている。令和3年度の修繕は松川町役場の発電設備の計量器取替工事のみであったので修繕率は14.9%と、小型計測機器の交換工事があった前年度の60.9%から減少した。今後、他の施設でも経年による定期的に修繕が必要となる可能性がある。施設建設は一般会計からの借り入れで対応し、企業債の借り入れはしておらず、企業債残高料金収入比率は0%である。FIT収入割合は100%で、全収入がFITで占められている。FIT適用終了後(令和16年以降)は収入が大きく変動するリスクを抱えている。
全体総括
・再生可能エネルギー固定価格買取制度により、20年間は安定した収益が見込まれる。発電状況の常時監視を行い、安定した発電を継続できるよう努める。また、平成30年FIT法改正に基づき、発電設備の保守点検を順次実施している。FIT終了後(令和16年)の事業のあり方については現時点では方針は定まっていない。経営戦略を令和5年3月に策定予定であり、令和6年度以降、基金の設立と余剰金の利活用について検討を進めている。