収益等の状況について
令和3年度も一年を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を受け、総売上が何とか200,000千円を上回る状況で、前年比としまして総売上は109%(コロナ前比47%)と厳しい年が続きました。従業員の雇用機会を守るため営業を続けていくなか、業務の棚卸、職員のマルチタスク化、光熱水費の節約等により、歳出をできるだけ抑える努力を継続し、歳出に関しては前年比で約44,000千円ほど抑えることができ、およそ263,966千円となっております。しかし大幅な減収の中では限界があり、また公的機関という位置付のため、雇用調整助成金等の公的支援は受けられず、そして公益性の強い一般職人件費分11,000千円等、計52,000千円(昨年76,000千円)を一般会計からの繰入、予算不足見込額13,000千円(昨年40,000千円)を基金から取崩し、対応してまいりました。一般会計からの繰入を含め、収益は5,934千円となっております。また令和4年度から公営企業会計への移行に伴い、保養宿泊施設基金を引継現金として取崩しております。そのため、相対的に見ると他会計補助金の比率が上昇し、利用料収入の割合が低下しておりますが、上記にございますとおり、前年度比109%の総売上となっております。
資産等の状況について
施設の老朽化に伴い、多くの修繕費が発生しております。現状の資産に見合った積み立てはできておらず、中・長期的な施設修繕計画に基づき、適切な積み立てをすることが課題となっています。令和3年度は、全館Wi-Fi化工事を実施し、固定資産評価額が増加しています。
利用の状況について
上記でも述べたように、一年を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を受け、前年比としまして、宿泊者数99%(コロナ前比43%)、入湯者数129%(コロナ前比68%)と厳しい年が続きました。感染状況の報道等により予約状況も激変し、現場とすると対応に苦慮しておりました。また感染状況が落ち着いている月は予約の問合せが激増しましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の徹底により、利用を制限せざるをえませんでした。
全体総括
物価、燃料費の高騰、全国的な少子高齢化、人口減に伴う旅行人口の減少、人手不足、働き方改革による人件費の対応等、経営の厳しさは増す中、新型コロナウイルスの影響により、新たな施設のあり方が求められる時代となっております。令和4年4月1日より、公営企業会計信州まつかわ温泉清流苑事業会計へ移行し、運営しております。新型コロナウイルスの影響はまだまだ続き、非常に厳しい時期が続くと思われますが、公益性と収益性を棲み分けしながら適切に経営状況を把握し、将来計画を立て、地域に愛される持続可能な施設運営を目指してまいります。