経営の状況について
■経常収支比率・営業収支比率R5年度の供給電力量は、渇水の影響を受けた前年度と比較し、降雨量が多かったこと等により3割以上の増加となりました。このため経常収支比率は前年度比12.7ポイント増の136.2%、営業収支比率は14.1ポイント増の136.5%となり、ともに100%超を維持しています。■流動比率前年度比439.0ポイント増の1,358.1%となっており、100%を大きく上回っています。増加の理由は、未払金の減少などにより流動負債が減少したことに加え、現金・預金の増加などにより流動資産が増加したためです。■供給原価前年度比2,870.2円減の7,271.4円となり、全国平均の11,251.0円を大きく下回っています。これは渇水の影響を受けた前年度と比べて、供給電力量が増加したため減少したものです。■EBITDA前年度比131,399千円増の626,109千円となっています。増加した理由として、前年度より降雨量が多かったことにより水力電力量が増加したことと、水力発電施設の修繕などにより前年度一時的に増加していた営業費用が減少したこと等が挙げられます。
経営のリスクについて
[水力発電]■設備利用率前年度比11.6ポイント増の47.4%となっています。増加の理由は、前年度の例年にない渇水による低迷に対して、R5年度は降雨量が増加したことで発電電力量を伸ばすことができたためです。■修繕費比率前年度比7.8ポイント減の14.5%となっています。減少の理由として、前年度に比べてR5年度は修繕費が大幅に減少したこと等が挙げられます。■企業債残高対料金収入比率計画どおりの企業債償還により低下傾向にあります。■有形固定資産減価償却率全国平均よりも高い割合となっており施設の老朽化が進んでいる状況と言えます。なお、水車発電機の修繕・改良は定期的に実施しており、施設の適切な管理に努めています。■FIT収入割合該当施設はありません。[風力発電]■設備利用率前年度比0.8ポイント増の10.9%となっています。増加した理由としては、昨年度と比べて、甫喜ヶ峰に設置してある風車2基が同時に故障停止していた期間が減少したことが挙げられます。ただし、全国の平均的な設備利用率と比較すると、低い水準に留まっています。■修繕費比率前年度比6.6ポイント減の49.5%となっています。減少に転じた一方、R3年度に風力発電所タワーなど主要設備の減価償却を完了したことで、営業費用に占める修繕費の割合が相対的に増加し、修繕費比率は高い水準となっています。■企業債残高対料金収入比率該当はありません。■有形固定資産減価償却率国内での風車導入の初期に建設されたことから減価償却が進んでおり、全国平均よりも高い割合となっています。■FIT収入割合H24年12月以降、すべてFITを活用した売電を行っているため、100%となっています。
全体総括
電気事業の経営状況については、安定的な売電料金収入の確保と、経費削減や業務の効率化などに努めており、全体的に健全な経営が行えています。風力発電所については、FIT適用終了となるR6年5月末をもって事業を廃止しました。今後も、経営の効率化と施設の適切な維持管理に取り組み、水力発電による売電収入の増収に努めるなど、利益の安定確保を目指していきます。また、R6年3月に改定を行った経営戦略の各施策を推進し、引き続き健全かつ効率的な企業経営にも取り組みます。