経営の状況について
・収益的収支比率及び営業収支比率は平成26年度以降一定である。収益的収支比率及び営業収支比率の数値は、ともに100%以上であるので収支は黒字であり、今後も現状維持を目指す。・供給原価は平均値より高い傾向である。総費用についてはリース料や施設管理委託料などが高額で毎年一定の経費がかかり、総費用を大幅に減少させることは難しい。供給原価を下げていくには年間発電量を増加させることが望ましい。今後も、発電量の少なくなる冬期には除雪作業等で発電環境を整えるなどの対策をとっていく。・EBITDA(減価償却前営業利益)については他会計への繰出しに加え、天候や保守点検等の状況が主な変動要因である。令和3年度は、悪天候の影響を受け減少となった。
経営のリスクについて
【太陽光発電】・修繕費が少ない状況であるが、沢渡温泉第1・第2太陽光発電所の場合、施設管理は施設管理委託料として委託業者に対し一括で費用を支払っているため、原則として修繕があった場合でも町に費用は請求されない。但しパワーコンディショナーの修繕費については、本事業からの費用負担となる。現状での修繕費は0となっている。平成29年度運転開始の沢渡温泉第3太陽光発電所については、O&M契約のみのため、今後は修繕費の発生が予想される。・設備利用率について太陽光発電における発電量の割合が高いため、天候に左右されやすい傾向が見られるが、今後の設備利用率維持・向上のためには、除草・除雪作業等の発電環境を整える維持管理が重要であるとともに、令和元年度にはケーブルの盗難被害に遭い、稼働停止期間を余儀なくされ、利用率が低下したため、監視体制を強化したが、継続して設備利用率を維持できるように対策を継続していく必要がある。・FIT収入割合は100%である。FIT調達期間終了後については、施設状況にもよるが事業廃止を予定している。【小水力発電】・運転5年目のため、修繕費が少ない状況であるが、ゴミ取用の除塵機や水車・発電機の定期メンテナンスを行い、設備の長寿命化が重要である。・美野原小水力発電所は農業用水を利用した発電施設のため、水田の引水の関係で時期によって最大出力が変動する、5月16日~8月31日間は最大出力135kw、9月1日~5月15日は常時出力31kwとなるため、年間での設備利用率は低くなる。令和2年度には、農業用水の改良工事のため、発電が停止し利用率が低下したが、今後も必要な工事にあっては管理者と調整の上、施設利用率への影響が最低限となるように、適切な維持管理に努めたい。・FIT収入割合は100%である。FIT調達期間終了後も事業継続予定であるので、収入が減少するリスクを踏まえた経営を検討したい。
全体総括
20年間の特別措置法適用期間は、安定した収益が見込まれると考えられる。当面は現状維持のため、各発電施設で発電環境管理を重要視し、より安定した発電量を確保していきたい。また、FIT調達期間終了後については、太陽光発電事業は施設状況にもよるが事業廃止を予定している。小水力事業は通常40年相当期間は発電可能であるため、FIT調達期間終了後においても事業継続を予定している。経営戦略等を活用しながら、収入が減少するリスクを踏まえ、維持経費の適正化を図るような経営を検討していく。