経営の状況について
●収益的収支比率についてメガソーラー発電事業での総費用の内訳は発電設備等一式借上料、保安管理業務等が主なものです。売電による総収益が当初見込みよりも約10%多くなっていることもあり、平成26年度から黒字で推移しています。また、平成30年度は天候に恵まれ、順調に発電できたことから黒字となりました。●供給原価について販売電力量1MWhあたり、どれだけの費用がかかっているかを表す指標ですが、平成30年度は前年度に対しほぼ同額となりました。総費用の大部分を占める発電設備等一式借上料は契約により決まっており、現状の費用を大きく削減することは、難しい状況です。●EBITDAについて企業の本業の収益が継続して成長しているかどうかを判断するための指標ですが、平均値は今回上昇しましたが、当事業においては平成27年度から3年連続で上昇しています。引き続き安定した発電により、当指標についても安定した利益が継続できるものと思われます。●営業収支比率について発電による料金収入の営業活動から生じる収益はあるものの、人件費や発電費等の営業費用が無いことから、営業収支比率は算出されません。
経営のリスクについて
●設備利用率について発電能力と実際の発電電力量との割合である設備利用率ですが、メガソーラー発電事業は、平成30年度については20.2%となりました。平均値に比べ約1.3倍となりました。また、マイクロ水力発電事業は平成29年度から決算状況を計上しました。冬季における運転停止期間があったことから平均を大きく下回っています。●修繕費比率について太陽光パネルの修繕も含めたリース契約となっており、修繕費のみを区別することができないこと、水力発電は維持管理委託料の範囲で賄えたことから、修繕費比率は算定されません。●企業債残高対料金収入比率について発電設備をリース契約による借上げで実施していることから、企業債は活用しておらず企業債残高対料金収入比率は算出されません。●FIT収入割合についてメガソーラー発電事業はFITによる全量売電施設です。発電施設を借上契約している期間は現状の売電価格となっていることから、事業期間中の収入が減少するリスクは回避することができます。また当施設の設備はリース契約により借り受け、発電事業者として売電しています。FIT期間終了後は設備撤去となりますが、撤去費用についてもリース料に含まれていることから、リスクは低いものと考えます。
全体総括
安定した発電により、昨年を上回る売電収入と、費用のほとんどを占めています発電設備借上料は定額であり、収入が大きく上まわっていることから、収益的収支比率のとおり黒字経営が続いています。設備をリース契約により借り受け、発電事業者として売電しており、FIT期間終了後は設備撤去となる予定ですが、撤去費用についてもリース料に含まれており、リスクは低いものと考えます。公営企業は独立採算性を原則としており、事業を安定的に継続する必要があることから、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を平成30年度に策定し、更なる経営基盤の強化と財務マネジメントの向上に取り組んでまいります。