経営の状況について
●収益的収支比率についてメガソーラー発電事業での総収入の内訳は売電によるものが主であり、収益は安定しています。総支出の内訳は、発電設備等一式借上料、保安管理業務等が主なものです。平成26年度から黒字で推移し、令和3年度においても黒字となりました。●供給原価について販売電力量1MWhあたり、どれだけの費用がかかっているかを表す指標ですが、令和3年度は前年に対し、0.6%増となりました。総支出の大部分を占める発電設備等一式借上料は契約により金額が決まっている一方で、年間発電電力量が減少したことにより供給原価が増加しました。●EBITDAについて企業の本業の収益が継続して成長しているかどうかを判断するための指標ですが、令和3年度は日照時間など環境的な要因により収益が減少しました。しかし、平均値を大きく上回っており、収益は安定しています。●営業収支比率発電による収入の営業活動から生じる収益はあるものの、人件費や発電費等の営業費用がないことから、営業収支比率は算出されません。
経営のリスクについて
●設備利用率について発電能力と実際の発電電力量との割合である設備利用率ですが、メガソーラー発電事業は、令和3年度は19.3%となりました。平均値に比べ約1.3倍となりました。また、マイクロ水力発電事業は令和元年東日本台風により水路が被災したことにより復旧までに運転停止期間があり平均を大きく下回っています。●FIT収入割合についてメガソーラー発電事業はFITによる全量売電施設です。発電施設を借上契約している期間は現状の売電価格となっていることから、事業期間中の収入が減少するリスクは回避することができます。また当施設の設備はリース契約により借り受け、発電事業者として売電しています。FIT期間終了後は設備撤去となりますが、撤去費用についてもリース料に含まれていることから、リスクは低いものと考えます。●修繕費比率について太陽光パネルの修繕も含めたリース契約となっており、修繕費のみを区分することができないことから、修繕費率は算定されません。●企業債残高対料金収入比率について発電設備をリース契約による借上げで実施していることから、企業債は活用しておらず、企業債残高対料金収入比率は算出されません。
全体総括
安定した発電により、売電収入と支出費用のほとんどを占めている発電設備借上料は定額であり、収入が大きく上回っていることから収益的収支比率のとおり黒字経営が続いています。平成30年1月から、さらに発電効率を向上させ収益増を図るため、敷地フェンス内の空いている箇所へパネルの増設を行いました。設備をリース契約により借り受け、発電事業者として売電しており、FIT期間終了後は設備撤去となる予定ですが、撤去費用についてもリース料に含まれており、リスクは低いものと考えます。公営企業は独立採算制を原則としており、事業を安定的に継続する必要があることから、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を平成30年度に策定し、さらなる経営基盤の強化と財務マネジメントの向上に取組んでまいります。